こんにちは、四谷学院高等学校(通信制)の田中です。

「全日制から通信制高校に転校したら、大学受験に間に合わなかった…」
「志望校の科目が間に合わず、受験を諦めた…」

こんな後悔は避けたいものです。制度上、通信制高校への転校はいつでも可能ですが、大学受験を考えると、タイミング次第で大きな差が出ます。

そこで今回は、大学受験に影響する転校のリアルなリスク後悔しないための行動ステップについてとりあげます。大学受験を意識した現実的な転校タイミングについても詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 通信制転校が大学受験に与える影響
  • 学年別に見る転校タイミングとリスク
  • 後悔しないための学習・受験計画

通信制転校と大学受験の現実


通信制高校への転校し、大学受験を目指すことは、今ではそれほど珍しくなくなっています。通信制高校の多くは、単位制の高校であり、自由度が高いという特徴があります。学習リズムや進度が全日制とは異なっているため、それをうまく活用することで、大学受験対策により多くの時間を費やすことも可能となっています。

高3の注意点

通信制高校に高3から転校する場合には、これまでに取得している単位数などの関係で、受験対策の時間が短くなる可能性があります。卒業に必要な単位が取れていない場合には、大学受験は1年先になってしまう可能性もあることも忘れてはいけません。
あらかじめ取得単位数や在籍年数を確認しておく必要があります。

受験科目の注意点

通信制高校に転校して大学受験を目指す場合、志望校によって必要科目が不足している場合もあります。その場合には、必要な科目を学校で習うことができず、独学で受験勉強を行わなければいけません。
学校カリキュラムと志望校をしっかり確認することが必要となります。

学年別・大学受験を考えた転校タイミング


今の学年によって、転校のタイミングをしっかり確認しておきましょう。

  • 高1〜高2前半:受験準備に余裕があり、大学進学計画を立てやすい
  • 高2後半:単位の引き継ぎや受験計画を事前に確認すれば間に合う
  • 高3前半:模試や志望校対策の進捗を確認してから転校すべき
  • 高3夏以降:受験準備が間に合わず、志望校変更や浪人の可能性も高い

大学受験で失敗しないためのチェックポイント

  • 転校先で受験に必要な科目が履修できるか
  • 模試や推薦入試、一般入試のスケジュールに間に合うか
  • 自宅学習やスクーリングの計画が受験対策に合致しているか

志望大学によって入試科目が異なり、選択できる場合もありますが、学部学科によっては受験科目が指定されている場合があり、その科目以外では受検できないこともあります。
たとえば、医学部や歯学部では、「生物」「化学」が必須であり、物理選択では受験できない大学があります。また、工学部・理学部などでは物理必須としているところが多く、商学部・経済学部では一部の大学で数学が必須となっていることもあります。早めに志望大学・学部・学科を決めることで、入試に必要な学習を効率よく学ぶことができます。

具体的な行動ステップ


では、通信制高校から大学進学を目指す具体的なステップを見ていきましょう。

転校を検討し始めたら早めに情報収集

通信制高校は大きく分けて「高校生活を楽しむ」ということをメインにしている学校と、「大学受験対策や専門的な学びを行う」学校があります。
大学進学を目指すのであれば、その目的に応じた学校を選ぶことで必要なサポートを受けることができます。

志望大学を決めて必修科目・選択科目・受験科目を確認

大学、学部、学科によって、入試科目が異なります。第一志望校はもちろんですが、併願校もある程度絞られますから、無駄な科目を勉強しない・効率よく勉強を進めるためにも入試科目を確定させましょう。

また同時に、入試形式も検討します。総合型選抜・学校推薦型選抜などの推薦入試(年内入試)と、一般選抜と呼ばれる学力試験、どちらをメインと進めていくかを決めます。ここで大きく対策の仕方が変わってきますので、できるだけ早めに決めておきましょう。

学年・志望校に応じた学習スケジュールを作成

学習スケジュールを作成します。得意・不得意によってかける時間も変わってきますので、これまでに受けた模試なども参考にして学習計画を立てていきます。まだ模試を受験していなければ、早めに受験しましょう。

保護者・学校・本人で進路面談

もしも本人の希望と保護者の希望が大きく異なっていたり、あるいは今の学力と志望校の合格ラインのギャップが大きかったりする場合には、進路面談が必要かもしれません。

特に保護者との意見の相違がある場合には、第三者をまじえて相談した方が冷静に話すことができます。その際、大学入試について詳しい人、たとえば予備校や塾の先生に相談できればベストです。

学習の進度チェック

勉強を計画的に進めるために、定期的に学習進度のチェックを行いましょう。
進路面談に立ち会ってくれる先生や予備校・塾の先生など、大学受験について詳しい人と一緒にチェックができれば最高です。

勉強を進めるなかで不安なことも出てくると思いますから、受験をサポートしてくれる味方を早めに作っておき、心配な時にはいつでも相談できる環境だと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q. 高3から転校して大学受験に間に合いますか?
条件次第では可能ですが、模試や受験対策の時間が短くなるため、志望校によっては準備が間に合わない場合があります。
Q. 単位や受験科目は引き継げますか?
学校ごとの認定基準によっては一部のみ引き継がれる場合があります。事前に確認が必要です。
Q. 通信制高校での学習と受験勉強を両立できますか?
進学コースのある通信制高校を選びましょう。ただし、スクーリングや単位の修得状況なども合わせて確認していく必要があります。

まとめ

大学受験を意識する場合、転校は早ければ早いほど安全です。特に高2までに行動すれば、受験準備と単位取得を両立しやすくなります。迷っているなら、まず情報収集と面談から始めましょう。