親に「通信制高校に転校したい」と言えず悩む高校生…SNSなどでも目にすることがあるかもしれません。通信制高校に転校したいと思ったものの、親にそのことを伝えるのはとても勇気がいることです。
「なぜ通信制?全日制じゃダメなの?」
と親には疑問を抱かれるかもしれませんし、もしも認めてくれたとしても
「本当に大丈夫なの?」
と心配されることもあるでしょう。

それでも、親が反対する理由には誤解や不安が伴うことが多いと言われています。まずは、事実をきちんと把握し、そして気持ちを言葉にして、お互いに理解し合うことが大切です。

通信制高校に転校することは前向きな選択肢であり、人生を再スタートさせるための第一歩ですから、あなたの気持ちをしっかり言葉にして伝えたいものですね。

🔸この記事でわかること

  • 親が通信制高校に反対する理由とその背景
  • 親に理解してもらうための効果的な伝え方
  • 話し合うときに気をつけたいポイントと実際の会話例

親が通信制高校に反対する“よくある理由”とは?

親が通信制高校への転校に反対する理由は、大きく分けて以下のようなものがあります。

通信制高校に対する誤解がある

・通信制高校は高卒資格を取る為だけの学校で、学びがない
・通信制高校はサボりたい人が行くところ
・通信制校に行ったら人生終わり
実際には、通信制高校にも多様な学び方があり、学習のサポートや進学支援も充実しているところが増えています。にもかかわらず、上記のような誤解が根強く残っています

自分の子どもには向いていないという思い込みがある

親は、子どもが「普通の高校生活を送るべき」と思い込んでいる場合もあります。「普通」というのは、親自身が経験したのと同じように「全日制の学校に毎日通う」ということだったり、全日制高校以外は普通じゃない、という思い込みだったりします。

また、そうした「普通」でない通信制高校に転校した場合には、心身への影響や社会的な孤立をしてしまうのではないか、と心配する親も多く見られます。

経済的な不安がある

通信制高校の多くは私立高校です。私立の場合には学費が高額になることもあり、金銭的な負担を心配する親もいます。

親に「通信制高校に転校したい」と伝えるときの3つのステップ

親が反対している理由をまずは理解しましょう。そのうえで、どのように伝えるべきかを考えていくのが順番としてはベスト。伝え方がうまくいけば、親の理解を得やすくなります。

ステップ①:自分の気持ちを言葉にする

「学校が合わない」「今の生活に不安がある」など、通信制高校に転校したい理由をはっきりと伝えましょう。
具体的に自分が困っていること、悩んでいることを整理して、冷静に話すことが重要です。あいまいな表現や抽象的な言葉ではなく、イメージしやすい具体的なエピソードを伝えるのが良いかと思います。

ステップ②:通信制高校について正しい情報を伝える

実は、通信制高校は、今、急激に変化しています。そのため、以前のイメージしか持っていない親御さんの場合には、通信制高校に関する誤解が多いと予想されます。そこで、通信制高校の実態について具体的な情報を伝えることが大切です。
例えば、学費がどのくらいか、卒業後の進学や就職サポートがどのようになっているか、などを詳しく説明しましょう。実際の学校見学や説明会に一緒に参加するのも効果的です。

例;パンフレットや公式サイトを見せて現状を伝える。特に心配しそうな項目については、あらかじめ確認しておき、例えば卒業後の進学状況などを具体的に伝える。

ステップ③:親の不安にも耳を傾け、対話を大切に

自分の意見を一方的に親にぶつけるばかりでは、平行線かもしれません。親の不安や疑問にも耳を傾けてあげましょう。「何が不安なのか」を聞くことはとても大切です。親の意見にも耳を傾けましょう。自分の意見と異なる部分があっても、対話の姿勢を保ちながら、互いの理解を深めていきましょう。すぐには歩み寄るのは難しいですから、自分の熱意と本気度を伝えるためにも、諦めず、時間をかけて伝え続けることが大切です。

実際の会話例:「どう伝えれば気持ちが届く?」


親に対してどのように伝えると効果的でしょうか?一例として紹介します。

失敗パターンと改善例

失敗例:「今の学校は合わないから、通信制高校に行きたい」
→ 親が不安になる可能性が高い

改善例:「今の学校は何もかもが決められていて、のびのびと過ごしたい自分の性格と合っておらず、毎日学校に通うことが苦痛だ。自分のやりたいことが(具体的に話しましょう)ができない。頑張ってみたけれど成績も落ちてきて、大学にも行けるか不安が大きくなってきた。でも、通信制高校で自分のペースで学べることで、もっとやりたいことに集中できると思う。」

失敗例:「体調が悪いから、通信制高校に行きたい」
→ 休学を進められる可能性が高い

改善例:「体調が悪く午後から学校に行っても、このままでは卒業に必要な単位が取れないかもしれない。学校に行きたいけど行けないという葛藤と、高校卒業できないかもしれないという不安が大きく毎日辛いので、自分のペースで学べる通信制高校を選びたい。」

自分の意思と客観的な資料の両方が必要です

まずは、なぜ通信制高校が自分に合っているか、具体的に説明できるようにしておくことが大切です。しかし、それだけでは十分ではありません。「通信制高校」について説明するための、客観的な資料が必要です。そもそも、通信制とはどんな高校なのか、よく知らない保護者の方も多く、また、昔のイメージで固定観念を持ってしまっているケースもあります。通信制高校のシステムや、具体的にどこの高校を希望しているのか、学費はいくらくらいかかるのかなど、保護者が気になるであろうことをあらかじめ調べて、準備しておくことを強くお勧めします。

たとえば…
・毎日のスケジュール(通学かオンラインか、スクーリングの頻度)
・進学実績(大学受験を希望している場合)
・学費(年ごとに必要な費用や就学支援機制度など)
・転校の時期、タイミング
・希望する通信制高校のパンフレットやHPを見せられるようにしておく など

それでも理解してもらえないときの対応策


それでもすぐには賛成してもらえないことも多いかもしれません。今すぐに自分でできること以外に、こんな視点も持っておくとよいでしょう。

学校の先生やスクールカウンセラーに相談

学校のカウンセラーや先生に相談することで、親に対する説得材料を得ることができるかもしれません。学校側からのサポートを受けることで、親も安心してくれるでしょう。

少しずつ時間をかけて理解を得る

もしすぐに理解を得られなくても、焦ってはいけません。無理に強引に説得しようとせず、時間をかけて話し合いながら理解を深めていきましょう。

こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

まとめ:あなたの気持ちを大切にしながら、じっくり話していこう


親に反対されても、その気持ちを理解し、冷静に伝えることが重要です。カッとして口論になってしまっても、何も解決しません。転校という決断が最終的にはあなたにとって前向きな選択だと思えるならば、それは親御さんにも伝わるはずです。情報を詰めたり、学校先生に相談したりしながら、じっくり時間をかけて話し合い、親を理解者に変えていきましょう。焦りは禁物です。