「できるだけスムーズに高校を卒業したい」
―こんなふうに思っている人も多いのではないでしょうか。理由は人それぞれですが、特に通信制高校へ転校するにあたっては、なるべく無理なく卒業まで進みたいと考えるのは自然なことです
しかし、実際にはこれまでに修得した単位がそのまま引き継げず、希望していた年数で卒業できないケースもあります。

この記事では、通信制高校の単位引き継ぎの仕組みや注意点を、実際の事例を交えながら分かりやすくご紹介します。

この記事でわかること

この記事を読むと、通信制高校へ転校する前に確認しておくべきことや、単位の引き継ぎで注意すべきポイントを理解できます。具体的には、次の点がわかります。

  • 単位引き継ぎの仕組み
  • 転入前に必ず準備すべき書類(単位習得証明書など)
  • 失敗から学ぶ!事例と工夫

なぜ単位が引き継げないのか

せっかく修得した単位が思った通りに引き継げない理由は、大きく3つあります。

学校ごとに「認められる科目」「科目の位置づけ」が異なる

同じ単位数でも中身が合致していなければ認定されません。例えば、専門コースで履修した科目は、普通科のカリキュラムに置き換えられない場合もあります。

単位認定は転入先の学校の判断によって決まる

科目名や履修内容の詳細を確認することが重要です。「同じ単位数だから同じ扱いになる」とは限らないため、事前に書類で確認しておくことが欠かせません。

口頭での確認ミス

「おそらく大丈夫だろう」と正しい情報を確認せずに進めてしまったために、予定していたような単位の引継ぎができないことがあります。事前に書類を確認すれば、十分に避けられるケースです。

事例で学ぼう!

通信制高校に転入する際には、これまでの修得単位数などを確認したうえで、転校先でのカリキュラムを決め、それに伴って卒業年が確定します。
単位の確認の際には、「単位数」だけでなく「内訳(科目の中身)」の確認することも重要である、ということがわかる事例をご紹介します。

転入先で全単位を認められなかったAさんのケース

Aさんは、高校1・2年で合計32単位を取得していました。残り43単位を修得すれば卒業できるため、高校3年からでも転入先の通信制高校でそのまま卒業できると考えていました。しかし、取得済みの単位の多くが専門科目に偏っており、転入先である通信制高校の普通科では認められない単位が含まれていました。
結果として、卒業要件を満たすために追加履修が必要となり、その年に卒業はできず、1年卒業を延期することになってしまいました。

転校を検討する際に確認すべきこと

ここは、通信制高校への転校を検討し始めたときに、確認しておくと安心・安全なポイントをまとめます。

在籍校で「修得単位の確認」

まず、これまでに修得した単位の科目名や授業内容を整理し、成績証明書や履修履歴を準備しましょう。

転入先の学校で「認定単位の確認」

上記の書類をもとに転入先の学校に照会し、どの単位が認定されるか確認します。
さらに、卒業に必要な単位数や必修科目を転入先で具体的に試算してもらい、追加履修やスクーリングの必要があるかも確認しておきましょう

具体的な手順:書類の取り寄せから相談まで

転校を進める手順としては次のような流れになります。

  • 1)現在籍校で成績証明書・単位習得証明書を早めに請求する
  • 2)転入候補の通信制高校に提出し、認定される単位を確認する
  • 3)認定されない科目がある場合は、代替履修や追加の履修方法を相談する
  • 4)最終決定は「書類ベースの認定結果」をもとに判断する(口頭だけで決めない)

まとめ:単位確認が卒業計画を左右する

卒業までにかかる期間は、引き継がれる単位の中身によって大きく変わります。単位習得証明書を早めに取り寄せ、認定可否を確認してから転校を判断することが大切です。

過去にはこうした確認を飛ばしてしまったことで失敗、予定通りに卒業できなかった生徒さんもいます。こうした失敗を教訓にすることで、安心して卒業までの道のりを描けるよう準備しましょう。

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