通信制高校の願書の中でも、特に多くの人が悩むのが「志望理由」です。何を書けばいいのか、どうやって伝えればいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、説得力のある志望理由の書き方について解説します。
※願書全体の書き方については、こちらの記事をご覧ください。
通信制高校に入学する際、最初に提出するのが「願書」つまり「出願書類」です。記入内容はシンプルですが、誤りや不備があると出願が受理されないこともあります。 今回は、どの学校にも共通する願書の書き方の注意点や学校ごとに異なる …
目次
志望理由書の基本的な考え方
私立の通信制高校の場合には、学科試験(学力検査)は行われず、作文や面接で合否判断をする場合が多い傾向となっています。作文の試験では、「なぜその学校を選んだのか」という志望理由を問われることがほとんどです。また、作文の試験がなくとも、願書の中に「志望理由」の欄があったり、「志望理由書」の提出が必要である場合も多くあります。
ポイント!学校の特徴と自分の希望を結びつけて表現することで、納得感のある志望理由になります。
作文や書類審査を行う学校の割合
私立の通信制高校の場合、多くは学科試験(学力検査)を行わず、作文や面接で合否判断をする場合が多い傾向と言えます。
【通信制高校の入試】(2018年度入試)
書類審査を行う・・・53%
作文の提出・・・・35.6%
書類審査・面接 29.8%
面接・作文 20.0%
学科試験(※) 18.2%
書類審査・面接・作文 15.6%
書類審査 7.6%
面接 7.6%
その他 1.2%
参考:学びリンク
志望理由を書くときのポイント
1.情報収集をしましょう
何はともあれ、材料がないと書けません。まずは志望校のパンフレットを取り寄せたり、公式サイトを見たりして情報を集めましょう。
さらに、学校説明会や個別相談会に積極的に参加するのがおすすめです。直接先生や在校生の話を聞くことで、その学校に通うイメージがはっきりし、書く内容も自然と浮かんできやすくなります。
Q.個別相談会に参加していませんが、出願できますか?
A.通信制高校の場合、出願するためには「個別相談会への参加必須」と定めている学校が少なくありません。入学後は自宅学習が基本となりますので、入学前には一度直接生徒に会い、どんな人となりなのかを確かめておきたいという意向があります。
そのため、出願に必要な条件を、早めに確認しておくことを強くお勧めします。
2. 志望校の特徴と自分の希望を結びつける
集めた情報をもとに、その学校には「どんな特徴があり」「自分の希望や状況にどう合っているか」を書きだしてみましょう。
例:進学コースがある → 大学進学を希望している。
例:スクーリングが柔軟 →アルバイトと両立できる。
例:家の近くにキャンパスがある →通学のハードルが下がる。
例:週1通学から始められる → 自分のペースで通える。
Q.どこの高校にも当てはまりそうな志望理由になってしまいます。
A.色々と書き出してみた理由を組み合わせてみましょう。たとえば「進学コースがある」だけでは、該当する通信制高校は多いと思いますが、「週1の通学から始められる」「自習室が使える」という点と組み合わせると、ココの高校しかない!という絞り込みができますよ。
3. 正直に書きましょう
見栄を張った表現は必要ありません。面接でも必ず確認されるため、自分の言葉で書くことが大切です。きちんと書こう、ちゃんとしよう、と思うと、言葉が固くなってしまったり、耳当たりの良い言葉を並べてしまったりするかもしれませんね。最初はそれでOKです。1回で志望理由書を完成させるのは難しいものです。時間をあけて、気分を変えて2-3回書いてみましょう。回数を重ねることで、少しずつ自分の言葉に近づいていきますよ。
Q.スマホで作成してもいいですか?
A.書きやすいならスマホで書いても、鉛筆等で書いてもどちらでも構いません。最終的には学校が指示している提出形式に合わせて整えればOKです。
4. 前向きな選択理由を書く
全日制は通えないから仕方なく通信制高校を選ぶという人も、正直なところいらっしゃると思います。本当は全日制が良かった…というネガティブな気持ちが残っている場合には、特にそうした表現が無意識に出てきてしまうかもしれません。しかし、言い換えれば、自分に合った学び方で高校生活を送りたいから通信制を選んだ、ということです。やりたいことがなくても、「やりたいことはこれから見つける」という表現にできますし、卒業できればいいということは、「確実に卒業できる環境で頑張りたい」ということ。できるだけ前向きな表現で書きましょう。
Q.「毎日、遅刻せずに教室に行くのはムリ」というのが通信制を選んだ理由です。たとえば体調不良が原因であれば、どんな風に前向きに書けばいいでしょうか?
A.「代わりに何ができるか?」と発想してみましょう。毎日、遅刻すると勉強に遅れが出ますし、何よりも気持ちが下がってしまいますよね。通信制を選べば「体調と相談しながら家で勉強」できますし、「必要以上に落ち込むこと」も無くなります。ネガティブな理由が出てきたら、「じゃあ、その代わり何ができる?」と自分に質問してみましょう。きっと前向きな表現になるはずです。
5. 入学後のイメージをふくらませる
高校生活で取り組みたいこと、学びたいこと、進路の目標などを具体的に書きます。学習だけでなく、部活動や友人関係について触れるとリアリティが増します。
公式のホームページやパンフレットなども参考にして、具体的に気になる授業やカリキュラム、イベントなどがあれば「これが楽しみ!」と書き添えるとよいでしょう。
Q.入学後のイメージができません、どうしたらいいですか?
A.学校のイベントに参加してみましょう。通信制高校では、オープンスクールや学校見学など、年間を通じて様々なイベントを行っています。1回だけではイメージしにくいかもしれません。「初回は緊張して気づかなかったけど、2回目に行ったら見えるものが増えた!」というケースも多いので、気になる学校には複数回、足を運ぶことをお勧めします。
6. 誤字脱字に注意
志望理由書は1回目で完成はしません。何度か書いてみて、だんだん固まってきたら、下書きをします。この時に必ず誤字脱字をチェックしましょう。そして、清書をします。
パソコンなどではなく、直筆で書き込む場合は、特に丁寧に書くことが大切です。
Q.分量も多く、最後の方は字が汚くなってしまいます。文字が乱れないようにするにはどんな工夫がありますか?
A.疲れないような工夫をしましょう。緊張すると筆圧も高くなり、手が疲れてしまいますよね。すると思うようにきれいに書けなくなりがちです。短い文章であれば一息で書けてしまいますが、ある程度の分量がある場合には、2分割・3分割して清書しましょう。何度か休憩をはさみつつ、集中力が途切れないように書くのがおススメです。
7. 家族や先生にチェックしてもらう
志望理由書は1回で完成させるのは難しいので、何度か書いてみますが、うまくまとまらないということもあるかもしれませんね。そんな時には、家族や先生にチェックしてもらうといいでしょう。「ここはとてもいい」「もう少し具体的に言うとどんなこと?」など、第三者の目を通すことで、説得力のある文章に仕上がります。
また、事前にチェックしてもらった場合でも、チェックしてもらわなかった場合でも、下書きが出来上がったら、清書の前には必ず誤字脱字チェックをしてもらいましょう。自分では気づかない、間違った表現や誤字を直してもらえます。
8. AIの使い方に注意
日常的に生成AIを活用している人も増えてきました。生成AIを使って文章のヒントを得るのは問題ありませんが、コピペは絶対にNGです。 AIはあくまで「言葉にする手助け」として活用し、自分の気持ちを自分の言葉で表現しましょう。
まとめ
- 志望理由書は「情報収集した学校の特徴」と「自分の希望」を結びつけることがカギ
- まずは情報収集が第一歩。学校説明会や個別相談会に参加してリアルな情報を得よう
- 正直に、前向きに、自分の言葉で書くことが大切
- 仕上げは家族や先生に見てもらって完成度を高めよう
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