起立性調節障害は、中学生から高校生の思春期によく見られる病気です。自律神経の乱れによるものと言われており、その症状によって生活に支障が出てしまうケースも珍しくありません。そのため進学先として、自宅学習がメインとなる通信制高校が選ばれることもあります。しかし、一般的な全日制高校と異なる特徴をもつ通信制高校選びに、迷いや不安を感じているご家庭も多いことでしょう。

この記事では、起立性調節障害のお子さんの通信制高校選びについて、具体的なチェックポイントを解説していきます。

起立性調節障害の主な症状

自律神経の乱れからくる体調不良で、日々の体調が安定しませんが、人によって特に強く出てくる症状が異なります。また1つだけでなく、複数の症状がある場合もあります。

1.立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
2.立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる
3.入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
4.少し動くと動悸あるいは息切れがする
5.朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
6.顔色が青白い
7.食欲不振
8.臍疝痛(せいさいせんつう)へその周囲の痛みをときどき訴える
9.倦怠あるいは疲れやすい
10.頭痛
11.乗り物に酔いやすい
日本小児心身医学会 編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドラインより)

症状別のさまざまな悩み

例1:朝起きられない

特に起立性調節障害の特徴として挙げられるのが「朝が弱い」ということです。「起きて学校に行くぞ!」と思っても起きられない、通学途中で気分が悪くなってしまう、こうした症状が続き、学校に通うことができなくなります。

例2:強いストレス

起立性調節障害はストレスとも関係があると言われています。学校での人間関係の悩みや勉強への不安などが、症状を引き起こす原因となることもあります。また、先ほど挙げたように朝起きられないことがプレシャーになるという、悪循環が生じることもあります。

例3:自己評価が下がる

様々な症状から、人間関係がうまくいかなくなったり、学習に支障が出てきたりすることもあります。その結果、強い罪悪感や「どうせ自分はダメなんだ」という自己嫌悪、自己評価の低下などが生じます。

例4:物事に消極的になる

体調が不安定であるため外出しにくくなります。また中には、「だらしがない・怠け病だ」などという病気への無理解からの心無い言葉によって、人間関係に不安を覚えるケースもあります。

起立性調節障害の方におすすめ!通信制高校

通信制高校は、自宅学習メインです。朝起きられなくても大丈夫!体調と相談しながら、自分のペースで勉強を進めていくことが可能です。学校に全く通わなくていいというわけではなく、通信制高校でも通学(スクーリング)が必要ですが、通学頻度を自由に設定することができるので、自分のできる範囲から通学すればOKです。

また、近年ではコースも多彩になってきました。「大学進学コース」を持つ通信制高校も増えつつあり、大学を目指すほかにも、自分のやりたいこと・興味のあることに合わせてカリキュラムを選ぶことも可能になっています。

通信制高校のシステム

通信制高校の卒業要件は3つあります。

①3年以上の在籍
②74単位取得
③30単位時間の特別活動
学年制の全日制高校と異なり、単位制の高校になっています。必要な単位のほか在籍期間と特別活動をクリアできれば、卒業することができます。

必要な単位を取得するためには、以下が必要です。

・レポート課題の提出
・スクーリングへの参加
・単位認定試験(テスト)の合格

レポートは提出すると採点・コメントされて返却されます。また、通学(スクーリング)は必須で、レポート課題とスクーリングの参加の両方を満たさないと、単位認定試験を受けることができません。

なお、通信制高校では教科科目ごとに1単位に必要な添削回数が定められています。これはどこの通信制高校でも同じです。

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起立性調節障害でも通いやすい高校の選び方

通信制高校と言っても様々なスタイルがあります。ここでは、起立性調節障害のあるお子さんの通信制高校選びのポイントを3つお伝えします。

ポイント①通いやすさ

通信制高校は、教科書や映像、添削指導、オンライン指導などがメインです。そのため、通学はほとんどありませんが、ゼロではありません。「学校に通う」ということが難しい場合には、登校(スクーリング)についてしっかり確認しておきましょう。
スクーリングは年に何回あるのか、どこでやるのか、何時から何日間あるのか、継続的に通学するのか(週2など)、まとめて通学するのか(月1で3日間など)、あるいは合宿形式なのか(年1で宿泊)、スクーリングの実施方法は様々あります。

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例えば、公立の通信制高校の場合には、毎週もしくは隔週で登校するのが一般的です。しかも、校舎数もあまり多くなく立地もそれほど良くないため、自宅から通うのに負担を感じてしまうかもしれません。交通の便がよくないと、毎回車で送り迎えが必要なこともあります。
「通いやすさ」も起立性調節障害のあるお子さんにとって重視したい部分です。

ポイント②自信をつける

起立性調節障害のあるお子さんは、自信なく、物事に対して消極的になりがちです。高校進学や将来についても後ろ向きであることが多く、「どうせだめだろう」と自分の可能性を自分で狭めてしまう傾向にあります。
まずは、体調に合わせて自分のペースで進められるという環境ができたら、次は「自信をつけること」です。

自分の好きなものや興味があること、得意なことを見つけていきましょう。いきなり「好きなことをやりなさい」「将来の夢を持ちなさい」と言われても困ってしまうかもしれません。高校3年間で様々な体験をし、様々な感動を味わい、自分の将来を考える大切な時間を過ごしてもらえるとよいでしょう。その中で「コレ、すきかも!」「もっと知りたい」という気持ちが芽生え、「私もできるんだ」「私に向いてるかも」という自信につながっていきます。

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まとめ

起立性調節障害で思うように日々を過ごせていないと、人生におけるさまざまなものに不安を感じ、後ろ向きになってしまうことも多いでしょう。まずは「できることから」初めて見ることをおすすめします。毎日は通えないけれど体調がいい日なら通える、全部はできないけど半分はできた、など「できないこと」ではなく「できること」に注目していきましょう。
通信制高校選びにおいても同様です。「ここならがんばれそう」と思える学校を見つけてほしいと思います。

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