お子さんが学校に通えなくなってしまい、不安に感じている保護者の方もいらっしゃると思います。本人にやる気があるのに体調不良や人間関係の問題から、思うように学校に通えない日々が続くと、勉強の遅れや将来への不安も生じてくるでしょう。しかし、高校に行ってから気の合う仲間や先生と出会い、将来への希望と目標が見つかることもあります。
今回は、不登校から通信制高校へ進学し、そこから夢を見つけた先輩たちの体験談をご紹介します。
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通信制高校とは?基本的な仕組みと特徴
通信制高校は単位制の学校です。全日制の高校と異なり、毎日登校する必要がないので、不登校や引きこもり、外出に不安があるお子さんでも、高校卒業資格を得ることができるようなカリキュラムになっています。
多くの通信制高校では入学試験に学力テストは実施されておらず、書類審査と面接のみが行われます。
通信制高校の入試について詳しくはこちらの記事へ
「入試のない高校を探しています」という声をよく聞きます。基本的には、どこの高校も入試は必ず実施しています。ただし、その入試は学力試験とは限りません。 通信制高校にも入試はありますが、作文や面接が主流です。 そこで今回は、 …
柔軟なスケジュール
通信制高校は、単位制高校です。1年に何単位とるかを自分で決めることができます。最短で3年間で卒業できるようになっていますが、体調などを考慮してマイペースに学べることが大きな特徴となっています。
通学はゼロではない
通信制高校は、毎日通学する必要はありませんが、「スクーリング」は必須となります。年に何日か投稿して授業を受ける必要があります。スクーリングの内容や頻度は高校によって大きく異なります。
スクーリングの種類
スクーリングはその特徴から、「登校型」「集中型」「合宿型」という3つに分けられます。
定期的に校舎に行き対面で授業を受けるスタイルです。登校頻度は週1回から全日制高校と変わらない週5日まで様々です。
まとめてスクーリングを行うスタイルです。ゴールデンウィークや夏期・冬期などを利用し、登校型よりも通学頻度が少なく、合宿型よりも多くなっています。
宿泊施設を利用し、泊まり込みでスクーリングを行うスタイルです。頻度がもっとも少なく、例えば年1回で1週間など短期集中で行われます。
それぞれのスクーリングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
通信制校は、自宅での学習のほかに「スクーリング」という授業があることをご存じでしたか?学校によってそのスタイルや授業回数が異なっているんです。 今回は、通信制高校のスクーリングの種類についてわかりやすくお話していきます。 …
大学進学コースもある
通信制高校では、高校卒業資格を取得することを目的として学ぶことができるようになっています。近年では、大学進学を目的として「進学コース」「特進コース」などを設置する通信制高校も増えてきました。しかし、通信制高校だけではサポートが不十分であるために、大学受験のためには予備校や塾を併用する高校生も少なくありません。
大学進学を視野に入れている場合には、高校ではどのような学習サポートが行われるのか?進学実績はどのくらいか?といった点を具体的に確認の上、通信制高校選びを行うのが良いでしょう。
もしかすると通信制高校への進学を検討している方、もしくは現在在学中の方の中には、「通信制高校から大学進学は難しい」という意見を目にして「大学に行けないのかな?」と心配になっていないでしょうか。通信制高校の進学事情を詳しく …
様々な事情をもつ生徒が集まる
通信制高校を選び生徒には、様々な事情があります。例えば、スポーツや芸能活動と高校を両立するために通信制を選ぶ、体調を考慮して自分のペースで学びたい、人間関係に疲弊してしまい自宅で勉強したい……など。勉強の習熟度にも幅があり、中学からほとんど勉強をしたことがない人もいれば、進学校から入学してきている生徒もいます。
こうした様々な事情を持つ生徒たちが共に学ぶ中で、視野を広げ、また心身ともに負担の少ない生活の中で、少しずつ自分と向き合い成長していくことができるのが通信制高校という「学びの場」です。
高校の先生もこうした生徒たちに事情に考慮し、適切なフォローを行ってくれるので、日々安心して過ごすことができます。
通信制高校の先生について詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
通信制高校を選ぶにあたり、様々な期待や不安が入り混じっているかと思います。ただし、保護者と生徒本人とでは、少し意識に違いがあるようです。とあるアンケートでは、保護者は通信制高校の学費に関する不安やサポート体制への期待が大 …
生徒の声:通信制高校を選んでよかった理由
今回は、通信制高校に通いながら、大学受験予備校四谷学院に通学していた生徒さんたちの生の声をご紹介します。
事例1:5年間の不登校・ひきこもりから通信制高校へ進学したAさんのストーリー
小学校5年生から不登校になり、5年ほど引きこもっていたAさん。入学して1年がたったころから状況が変わり始めます。単位取得のために登校し、先生方や先輩、同級生と交流するうちに、学校に通うのが楽しくなっていったのです。それまでは全く将来に希望を持てずにいましたが、人間関係が順調になったことで、大学進学を目指そうと思えるようになりました。自信が持てなかった勉強については、やり直し学習から始めて、最終的には大学受験対策まで行い、MARCHの一角である明治大学に合格できました。その後、総合商社に就職。人材育成に関わる仕事をしています。人間関係に悩んでいたあの頃には、全く考えられなかったような「今」を過ごしています。

通信制高校には、「スクーリング」があります。スクーリングは対面での授業のほかに、同じクラスの生徒と一緒に学ぶグループワークや、自分の考えたことを発表するような機会もあります。自宅学習だけでは学ぶことができないことを補強する形で行われます。
このスクーリングをきっかけとして、先生と気軽に話せるようになったり、気の合う友達ができたりもします。
事例2:不登校で通信制高校へ転校。受験勉強を通して自信を取り戻したBさんのストーリー
早稲田大学に入りたいという目標をもって高校に入学しましたが、友達関係で悩むようになり、不登校になってしまいました。その後、通信制高校に転校したため「早稲田なんて、もう無理」と思っていました。けれど、早稲田大学の文化祭で初めてキャンパスを訪れたとき「何とかこの大学に入りたい!」という強い憧れがよみがえりました。その後、一心に勉強し、見事合格。社会に出た今でも、何かに夢中になって、一生懸命に取り組む経験をしていけば、それは確固たる自信となり、背中を支えてもらっています。

通信制高校に転校したことで、挫折感や劣等感を持ち、これまでの夢や目標を手放してしまう生徒さんもいます。しかし、全日制高校に無理をして通い心身の調子を崩してしまうよりも、今自分のできる範囲で頑張ることの方が、トータルで見ればあなたにとってプラスになるはずです。通信制高校への転校は、あなたにとって積極的な選択肢になるはず。通信制高校だからと言って何もあきらめる必要はありません。
事例3:中高一貫校に通っていたけれど体調不良で通信制高校へ転校。心身ともに強くなれたCさんのストーリー
中高一貫の進学校に通っていたものの、中3くらいから体調を崩すことが多くなり、学校に通うのが難しくなりました。出席日数も足りず、高校をきちんと卒業できるように通信制を選びました。当時は「いったい、大学受験はどうなってしまうんだろう…」と焦る気持ちが強かったんです。数学が特に苦手で、勉強嫌いになっていました。それは効率の悪い間違った勉強の仕方をしていたから。とにかく問題を解いて暗記していたので授業を聞いても理解していませんでした。四谷学院で勉強を始めてからは数学に対する見方ががらりと変わりましたね。原理原則からきちんと教えてくれて、授業のわかりやすさに感動しました。受験勉強を通して、計画的に努力し続けることを習慣化できたと思います。

高校時代は、学びの多い貴重な時期です。自分の将来について改めて考え、自分に向き合う期間でもあります。勉強もその中の1つです。今まで体験したことのない様々な体験を重ね、自分の可能性を広げていくことで、充実した高校生活を送ることができます。そのことは、これからの人生をさらに豊かなものにしていくことにつながっていきます。
保護者の声:通信制高校を選んでよかった理由
大学受験予備校四谷学院に通学していた通信制高校の生徒さんの保護者の方たちの声をご紹介します。
事例1:自分に合う高校を選ぶことの重要性
息子は高1の夏頃、学校が合わないから行きたくない、と不登校になりました。もともと志望していた高校は自由な高校、しかし、実際に進学した高校は少し厳しい学校だったこともあり、本人なりに思うところがあったのかもしれません。ずっと自宅にいて覇気もない様子で、親としてはこれからどうなってしまうんだろうととても不安でした。なんとか高校を卒業して大学に進学してほしいという思いから様々提案しても、本人は聞く耳を持たず。それでも何とか、本人が「ここに通いたい」と言った通信制高校に。入学後、少しずつ元気が見え始めました。通信制高校のゆったりとして自由度の大きい環境が本人にはあっていたようです。「卒業できそうだよ」と報告を受けたときはとてもうれしかったのを覚えています。
事例2:ズタズタになった娘の自己肯定感が回復した
第1志望の高校に合格し、勉強と部活の両立に充実していた春。しかし、夏休み明けから突然、娘は不登校になりました。進学校の授業スピードと課題の多さ、そして同級生のレベルの高さで、心身ともに疲れてしまったようです。2年に仮進級はしましたが、本人自ら通信制高校に通いたいと言いました。ズタズタになった自己肯定感を少しずつ上げていき、高3の春には本人の希望で大学進学を目標に受験勉強をスタート。徐々に自分のペースをつかみ、学力を上げていき、無事に希望大学に合格することができました。苦しい経験をした娘だからこそ、同じように不登校で悩んでいる人たちの力になれる大人になってくれると信じています。
事例3:通信制高校から大学受験への挑戦は息子を別人に変えた
中学で県大会に出るほどの実力で、高校でも頑張りたいとスポーツの強い高校へ進学しました。しかし、慣れない電車通学とハードな部活で勉強の時間が取れず、思春期も始まり、イライラしている様子でした。肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまったのか、高1の終わりくらいから学校を休みがちになり、食欲も落ちて負の連鎖に。2年生の夏に思い切って通信制に転入してからは、少しずつ笑顔が出てきました。毎日の通学がなくなり、少しゆっくりできたのが良かったのかもしれません。大学の気持ちも芽生え、息子自ら大学への受験勉強を始めました。当初の目標からどんどん志望校のレベルが上がっていったのは驚きました。毎日勉強に励み、それまでの様子から想像もできないくらい別人のようでした。おかげで早稲田大学に合格でき、今は楽しく大学生活を送っています。
通信制高校にプラスのイメージを持つことは重要
保護者の皆さんの中には「通信制高校なんてだめだ」「通信制高校では大学進学の可能性が断たれてしまう」という誤解をされている方もまだ多いようです。
いま、11人に1人の高校生が通信制高校を選んでいます。
お子さんが辛い気持ちを我慢しながら過ごす高校生活と、負担がなく笑顔で過ごせる高校生活、どちらかを選ぶのであればやはり「笑顔で過ごせる高校生活」を選ぶでしょう。
通信制高校には、全日制高校にはないメリットも多くありますから、様々な可能性を考慮して、お子さんがお子さんらしく過ごせる学校を選んでいただければと思います。
進学コースを選ぶメリット
通信制高校では、高校卒業を目標とするコースと、大学進学を目標とするコース、そのほか専門性の高い学びを行うコースがあります。高校進学を検討するのは、当然中学生の頃ですから、「大学受験なんてまだまだ先でしょう」「大学なんて考えられない」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、大学についてはできるだけ早くから意識しておくに越したことはありません。
また、通信制高校の「進学コース」を選択することで、「お子さんが変わるきっかけ」にもつながります。
イメージを持つことが大事
「大学・学部選びは早い方がいい」と学校の進路指導の先生に言われた方もいらっしゃるかもしれません。適当に志望校を決めても意味はありませんが、「こんな勉強をしてみたいな」「将来はこんな風になりたいな」と具体的なイメージを持つことはとても大切です。
「●●大学の〇〇学部▼▼学科に合格して、■■キャンパスに通う自分」
「こんなサークルに入ってあんなバイトもしてみて、日々こんな気持ちで過ごす」
こんな風にイメージができると、きっと楽しくなりますよね。日々の勉強のモチベーションにもつながります。
やるべきことが明確になればなるほど、成果も出やすいと言われていますから、明確にイメージを持てるということは非常に大切なことです。
学校見学や説明会に行こう
通信制高校では、オンラインの説明会やスクーリングで通う校舎(キャンパス)の見学会なども実施しています。一般的な全日制高校に比べて柔軟なカリキュラムになっているので、学校ごとに特徴がありますから、実際に話を聞いて高校選びをすることをお勧めします。
また、将来の進路・進学について考え始めたきっかけを高校生に聞いてみると、多くの生徒が「オープンキャンパス」を挙げています。実際に進学することを明確にイメージできると、より真剣に・より深く進路や進学について考えられるようになります。それは、大学でも高校でも同じことです。
高校3年間、約1,000日間。長いようであっという間に過ぎていきます。この3年間であなたの目標や夢を見つけてほしいと思います。
四谷学院高校は、生徒一人ひとりが夢を描き、自分らしく高校生活を送ることができるよう、サポートします。
詳しくは、四谷学院高校の説明会でお伝えしています!
四谷学院高校「学校説明会」はオンラインで!
今回は、「通信制高校って何?」「興味はあるけどよくわからない」という方のためのオンライン・ガイダンスです。四谷学院高校のことをご紹介するとともに、初めて通信制高校について知る方のための入門的な内容となっています。
参加費は無料。通信制高校を検討されている生徒ご本人、保護者の方が対象です。 学校説明会 特設ページ


だれでも才能を持っています。でもその才能は優れた学習システムと優秀かつ熱心な先生との出会いなしに開花することはできません。「英語が苦手」「数学が苦手」という人は、教え上手な先生に出会ってこなかっただけ。正しいやり方で学びの楽しさを味わうことができれば、「英語が好き」「数学が好き」に変身します。
「だれでも才能を持っている」という理念のもと、あなたに「やればできる」「学ぶことは楽しい」という体験をさせる、これが私たちの使命です。