四谷学院高等学校では、「学びのおもしろさ」に出会える特別授業を定期的に実施しています。
今回は、「ひと粒の色から、心がひらく ドットアート体験から学ぶフローの世界」と題し、指先で色を置く“点描表現”を通して、アートと心のつながりを体感する授業を行いました。

講師紹介:サイトウパピコ先生(Design L’oiseau Blue 代表)

講師のサイトウパピコ先生は、アボリジニアートの世界観に魅了されてドットアートを学び、国内外で幅広い世代にむけて創作の場をひらくアーティストです。

〈略歴〉
1976年青森県生まれ。19年間の保育士経験を経て、2015年よりアーティストとして活動を開始。
アボリジニアートに影響を受け、独学でドットアートを学ぶ。
全国や海外、オンラインでワークショップを展開し、2022年からは「あそぶエコアートプロジェクト」代表も務める。
教育機関での表現指導、企業研修、母子向け感性教育など多方面で活動中。

点と色からはじまるアート体験

授業は、アボリジニアート(オーストラリア先住民の伝統的な点描表現)の紹介からスタート。色や形に込められた意味や、物語としてのアートの側面に触れながら、生徒たちは作品づくりに向けてイメージをふくらませていきました。

その後は、実技へ。今回は筆を使わず、自分の指先だけで絵の具をキャンバスにのせていくスタイル。画材を前に「自由にやってみてくださいね」と声をかけられ、はじめは戸惑い気味だった生徒たちも、次第に自分なりの表現を楽しむ姿へと変わっていきました。

感情を色で表す、“自分と向き合う”時間

キャンバスに点を重ねるうちに、教室には静かで心地よい集中が流れはじめました。好きな色を選ぶ、指先の感覚を頼りに形をつくる、偶然生まれた模様に目をとめる――「正解のない表現」に没頭する時間が、生徒たちの内面をゆっくりひらいていきます。

「この色づかいがすごく好きって、ちゃんと相手に言葉で伝えることができるって、すでに素晴らしいことですよね。」

講師のサイトウ先生の言葉は、制作の終盤に行った作品鑑賞にもつながりました。生徒が互いの作品を見せ合いながら「きれいだね」「ここが好き」と声をかけ合う時間には、互いの表現を尊重し合う、あたたかなコミュニケーションが自然に広がっていました。

生徒の声:アートがくれた“気づき”と“安心感”

授業を終えた生徒からは、さまざまな感想が寄せられました。

「普段は感情を言葉にするのが苦手だけど、今日は色で出せた気がします。」
「久しぶりに絵具に触った。五感で感じるっていうのが少しだけわかった。」
「夢中になっていたら、いつのまにか静かに落ち着いていた自分がいました。」

“感じる力”や“表現する楽しさ”に気づいた声が多く集まり、この授業が生徒たちの心に深く響いたことが伝わってきました。

自分の感性を信じてみる。そんな一歩を

今回の授業は、「上手に描く」ことを目的とするのではなく、“自分の感性に耳をすませる”ことを大切にしたアート体験でした。

色と指、手を通して、自分の心の奥にある思いや感情と出会う。そしてその表現を誰かと分かち合う。この小さな一歩が、自分らしさを認める力や、他者を受け入れるやさしさへとつながっていきます。そんな可能性を感じられる、印象深いひとときとなりました。

四谷学院高等学校では、こうした心に響く豊かな授業を、これからもたくさん展開していきます。

ほかにも、「こんな授業があるんだ!」と驚くような体験が待っています。
詳しく知りたい方は、ぜひ学校説明会やオープンスクールで、四谷学院の魅力を体感してみてくださいね。お会いできるのを楽しみにしています!