
「高校は通信制にしたい。でも、オンラインでどんな学び方になるのかよくわからない」
そんな気持ちで情報を集めている方に向けて、この記事では通信制高校のネットコースについて、仕組みや選び方のポイントをわかりやすく整理しています。
目次
この記事でわかること
- 通信制高校のネットコース(オンラインコース・WEBコース)の基本的な仕組み
- ネットコースの特徴と、よくある誤解
- ネットコースを選ぶときに確認しておきたいポイント
- 通信制高校から大学進学を目指す場合に知っておきたいこと
ネットコースとはどんな学び方か

通信制高校のネットコースは、「オンラインコース」「WEBコース」「eラーニングコース」など、学校によってさまざまな名前で呼ばれています。どの名前で検索しても、基本的な仕組みはほぼ共通しています。
ネットコース(WEBコース)の特徴
授業の視聴・レポートの提出・先生とのやりとりなど、日々の学習活動のほとんどをインターネット上で行える点が大きな特徴です。パソコンやタブレットのほか、ネット回線が必須となります。
ただし、「すべてオンラインで完結する」わけではありません。
この後で詳しく説明しますが、法律で定められた「スクーリング(登校)」への参加に加え、単位修得のための「試験(単位認定試験)」は原則として対面(試験会場への登校)で受ける必要があります。
それでも、毎日決まった時間に教室に行く必要がなく、自宅や好きな場所で学習を進められる点は、ネットコースならではの大きな魅力です。「自分のペースを大切にしたい」「通学の負担を減らしたい」という方にとって有力な選択肢となるでしょう。
注意!ネットコースでも通学ゼロでは高校卒業資格はとれない
「ネットコースなら一切通学しなくていい」と思っている方もいるかもしれませんが、実際にはスクーリング、つまり登校が必要です。
スクーリングとは、学校が定める登校日のことで、高校卒業資格を取得するための法律上の要件として定められています。頻度は学校によって異なりますが、年間数日〜数十日程度が一般的です。「毎日通学する必要はないけれど、まったく行かなくていいわけでもない」という理解が正確です。
通信制高校でよく聞く「スクーリング」ですが、なんとなくイメージはあるけど具体的にはどんなものかよくわからないという方も多いのではないでしょうか? 今回は、通信制高校のスクーリングについてわかりやすくお話していきます。 目 …
ネットコースを選ぶときに確認したいポイント
ひとことで「ネットコース」といっても、学校によって内容はかなり異なります。後悔しない選択のために、以下のポイントを事前に確認しておくことをおすすめします。
授業のスタイルはライブ配信?録画?
授業の形式は大きく2つに分かれます。決まった時間にリアルタイムで参加する「ライブ配信型」と、自分の都合に合わせて視聴できる「録画視聴型」です。
| 形式 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| ライブ配信型 | 決まったリズムで学びたい人、先生や仲間とリアルタイムでつながりたい人 | 参加時間が決まっているため、体調や予定によっては難しい場合も |
| 録画視聴型 | 自分のペースで進めたい人、生活リズムが不規則な人 | 自己管理が必要。わからないことをその場で聞けない場合がある |
サポート体制はどう?
ネットコースは、通学コースに比べて先生と顔を合わせる機会が少ないため、ネットコースで学ぶうえで、「困ったときに相談できる人がいるかどうか」はとても重要です。一人ひとりに担任の先生がついてくれるか、メール・チャット・電話などでいつでも連絡が取れるか、学習以外の悩みも相談できる窓口があるかなど、サポート体制を確認しておきましょう。
学校の勉強や単位修得のシステム、あるいは卒業後の進路など、気になることが色々でてくることも想定されます。分からないまま放置してしまうと、学校生活や将来に不都合が生じてしまう恐れも否定できません。特に質問が苦手な方にとっては、相談方法や窓口をあらかじめ確認しておくことをお勧めします。メールでも電話でも、自分にとってハードルの低い問い合わせ方法があると安心です。
スクーリングの頻度と場所は?

スクーリングは全員に必要ですが、その頻度や場所は学校によって大きく異なります。スクーリング会場は自宅から通いやすいか、宿泊が必要か、どんな形式で行われるか、入学前に調べておきましょう。スクーリングの頻度についても、「年に数回だけ」という学校もあれば、月に何度か登校が必要な学校もあります。頻度が少ない場合、修学旅行を兼ねた合宿型や何日間かまとめた講習型で行われることもあります。
自分にとって負担が少なく、むしろスクーリングの日が楽しみになるような学校を選べると、なおよいかもしれません。
学費・費用の目安
通信制高校の費用は、入学金・授業料・教材費・施設設備費・教育拡充費などで構成されています。また学校によってスクーリングに伴う費用として交通費、宿泊費なども必要です。
通信制高校のネットコースは、全日制高校と比べてトータル費用を大幅に抑えられることが多くなっています。ただし、国の支援制度(就学支援金)の適用状況や、選択するサポート体制によっては全日制と変わらなくなるケースもあります。
費用の目安は以下の通りです。
| 費用の項目 | 公立全日制 | 私立全日制 | 私立通信制・ネットコース |
| 実質年間学費 (就学支援金適用後) | 約10万〜20万円 | 約40万〜70万円 | 約18万〜23万円 |
| その他の費用 (通学費・制服・行事など) | 約10万〜20万円 | 約20万〜40万円 | - |
| (PC・ネット代、スクーリング交通費など)
| - | - | 約3万〜10万円 |
| 年間合計の目安 | 約20〜40万円 | 約60〜110万円 | 約21〜33万円 |
※全日制:文部科学省「令和3年度(2021年度)子供の学習費調査」より、就学支援金(年収約590万〜910万円未満世帯の基準:公立118,800円/年、私立396,000円/年)を差し引いた、学校に支払う「実質的な自己負担額(授業料+諸会費、通学費、制服代など)」をシミュレーション。※通信制:文部科学省「令和5年度 学校基本調査」および各種通信制高校の公表ガイドラインより、通信高校のサポート校なしの場合でシミュレーション。
通信制高校のネットコースの学費は、私立の全日制高校と比べれば約3分の1に抑えられ、公立の全日制高校と比べても同等かそれ以下に抑えられるという目安となっています。
国の支援制度「高等学校等就学支援金制度」についてはこちらで詳しく解説しています。
※この記事は、2025年4月の情報をもとに作成しています。 高校に通う生徒と保護者の大きな負担となるのが「授業料」です。そして、その負担を軽減するために国が設けているのが「高等学校等就学支援金制度」です。 このページでは …
もしも大学に行きたくなったら

ネットコースを選ぶ方で「高校くらいは出ておきたい」「今は大学のことまで考えられない」という方でも、頭の片隅に覚えておいてほしいことがあります。
それは、「通信制高校から大学進学を目指すことは、十分に可能だ」ということです。
大学受験とのギャップ
ネットコースの基本カリキュラムは、「高校卒業資格を得るための基礎学習(レポート・動画視聴)」を行う設計になっていることがほとんどです。つまり、高校卒業のための勉強と、大学受験のための勉強は、目的も内容もかなり異なります。高校の単位を取るための学習だけでは、大学入試には対応しきれないケースがほとんどです。
しかし、あきらめる必要はありません。近年では、大学進学を視野に大学進学のためのオンラインコースも選ぶことができます。また、「通信制高校生向けのコース」のある予備校に通い、学校とは別で受験対策を行う生徒も多くいます。
通信制高校から大学を目指す具体的な方法については、別の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
通信制高校に通っている人や、これから進学を考えている人の中には「通信制高校からの大学進学は不利なのでは?」と不安に感じている方も多いかもしれません。しかし結論から言えば、通信制高校だからといって大学進学のチャンスが制限さ …
まとめ

ネットコース(オンラインコース・WEBコース)は、自分のペースで学べる自由度の高さが魅力です。毎日の通学が難しい状況にある方にとって、十分に検討する価値のある選択肢です。
ただ、少しだけ視野を広げてみると、通学コースにも意外な魅力があることに気づく方は少なくありません。スクーリングで学校に足を運んだ日が「思ったより楽しかった」という声は、通信制高校の生徒からもよく聞かれます。同じ学校に通う仲間と顔を合わせる時間や、先生と直接話せる安心感は、オンラインとはまた違うものです。
「オンラインの学び」を軸にしながら、年に数回のスクーリングなども視野に入れて調べてみると選択肢がぐっと広がるはずです。まずは気になる学校の資料請求やオンライン学校説明会に参加することからスタートしてみましょう。
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