「中学はほとんど学校に行けていないのに、高校生になったら急に毎日通えるようになるのだろうか?」
不登校のお子さまを持つ保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。高校には進学してほしい。でも、今の状態を見ていると高校に通えるとは思えない。進学してもまた学校に行けなくなったらどうしよう——そんな不安を抱えるのは自然なことです。しかし、高校進学は「毎日通えるかどうか」だけで判断する必要はありません。現在は全日制高校だけでなく、通信制高校などさまざまな選択肢があります。
今回は、中学時代に不登校だった生徒の高校進学について考えるとともに、通信制高校という選択肢をご紹介します。

この記事でわかること

  • 不登校の中学生が高校進学に感じる不安
  • 高校に行ける気がしない時は
  • 通信制高校が選ばれている理由

不登校の子どもを持つ保護者が抱える「高校に行ける気がしない」という不安

高校に入って変わる生徒もいる

高校に入学すると、これまでとは環境が大きく変わります。クラスメートが一新され、部活動や選択科目など自分の関心に合った場が広がることで、「ここなら通えるかもしれない」と感じる生徒は少なくありません。特に、次のような変化が登校への後押しになることがあります。

・人間関係がリセットされ、過去を知らない仲間の中でスタートできる
・同じ趣味・関心を持つ仲間と出会い、居場所ができる
・生活ペースや通学時間帯が変わり、体調に合った生活リズムが整う

こうした変化に加え、「新しい学校に入った」という気持ちの切り替え自体が、前向きな一歩を後押しすることもあります。

高校生になっても状況が改善しない生徒もいる

実際のところ、高校に入学したからといって急に毎日登校できるようになるわけではありません。起立性調節障害などの体調面やそのほかの心の問題がある場合には、改善は緩やかで、期待したように「毎日通う」ということはまだできないケースもあります。中には、「高校生になったのだから今度こそ毎日通わなければならない」というプレッシャーがさらに加わり、負担が増えることで、不登校に戻ってしまったり高校を中退してしまったりするケースもあります。

不登校の中学生が進学できる高校

一部の公立・私立高校では、不登校生徒の状況を考慮し、内申点よりも面接や作文、学校独自の学力検査の結果を重視する特別選抜枠が設けられています。一方、一般的な公立の全日制高校では、内申点や欠席日数が重視されるため、欠席が多い場合には不利になることがあります。こうしたことから、「行ける高校がない」という不安を抱く保護者は少なくありません。どこの高校なら通えるだろう」「また同じことにならないか」——そんな気持ちになるのは当然のことです。

全日制高校だけが選択肢ではない

毎日学校へ通うことが当たり前だと思われがちですが、高校には全日制高校だけでなく、定時制高校や通信制高校という選択肢もあります。まずは全日制高校以外にも進学先があることを知ることが大切です。実際に、中学時代に不登校を経験した生徒が高校へ進学し、その後大学進学や就職など、自分らしい進路を実現しているケースも数多くあります。

大切なのは、「どの高校に進学するか」だけではなく、「どのような環境なら続けられるか」という視点で学校を選ぶことです。

高校に行ける気がしない子に通信制高校が選ばれる理由

毎日登校しなくても高校卒業を目指せる

通信制高校の大きな特徴は、自宅学習を中心に高校卒業資格の取得を目指せることです
毎朝決まった時間に起きて登校する必要がないため、「学校へ行かなければならない」という精神的な負担を軽減できます。もちろん定められたスクーリング(登校日)はありますが、全日制高校のように毎日登校する必要はありません。

そのため、今は毎日の通学が難しいお子さまでも、高校卒業を目指しやすい環境といえるでしょう。

体調が落ち着くまで自分のペースで学べる

起立性調節障害などで朝起きることが難しい場合や外出そのものが負担になる場合でも、通信制高校なら、まずは自宅学習を中心に進めながら、体調や気持ちを整え、調子が戻ってきたら通学に切り替えるなど、コース変更も可能な場合があります。焦らず、自分のペースで高校生活をスタートできることは大きなメリットです。

「行かなければならない」ではなく、「行けそうだから行ってみよう」と思える環境は、不登校を経験した生徒にとって大きな安心感をもたらします。

高校進学で本当に大切なのは将来の可能性を広げること

「どうせ無理」が口癖になる前に

不登校が続くと自己肯定感が下がりがちです。その結果、「どうせ自分には無理だ」と考えてしまうことがあります。しかし、その考え方が心に沁みついてしまうと、高校進学だけでなく、その先の大学進学や就職、新しいことへの挑戦にも悪影響を及ぼしかねません。
中学生の時期は、どうしても世界が狭く感じられるものです。今見えている景色がすべてだと思い込みやすく、「自分には選択肢がない」と感じて、挑戦する気持ちが遠ざかってしまうのです。

「自分はやればできる」という感覚を育てる

だからこそ大切なのは、小さな成功体験を積み重ねることです。「できないこと」ばかりに目が向いている今、「できること」を確実に経験できる機会を重ねることで、少しずつ自尊感情が戻ってくるはずです。
「午後のオンライン授業を受けられた」
「スクーリングに参加できた」
「レポートを提出できた」
今できることに確実に取り組むという積み重ねが、「自分はやればできる」という自信につながります。

安心の中で希望が育つ

そうした安心できる環境の中にいるからこそ、「大学に行きたい」とか「友達を作りたい」とか、あるいは「好きなことを仕事にしたい」という気持ちが、少しずつ育っていきます。
将来、高校生になり、大学生になり、社会人になったときに、「やってみたい」と思うことに挑戦できる人になってほしい。そのためにも、お子さまが前向きな一歩を踏み出せる環境を選ぶ。それが学校選びの本質だととらえていただければと思っています。

不登校からの高校進学に悩んだら通信制高校も検討しよう

「中学は行けないのに高校は通えるのだろうか。」
その不安を抱える保護者の方は少なくありません。しかし、高校進学で本当に大切なのは、毎日登校することではなく、無理なく学び続けられる環境を見つけることです。

通信制高校には、自分のペースで学びながら高校卒業を目指せる環境があります。まずは情報収集から始めてみてください。

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