「通信制高校なら学校に行かなくても卒業できる」と思っていたのに、実際にはスクーリングで通学しなきゃいけないと知って戸惑う方はとても多いものです。特に、これまで学校での人間関係でつらい思いをした経験があると、「できれば行きたくない‥」と感じるのは自然なことでしょう。
今回は、もしも通信制高校のスクーリングに参加しないとどうなるのか?わかりやすく解説します。そして、行きたくないという気持ちの折り合いをつける方法を一緒に考えていきます。
目次
スクーリングは“ゼロ”にできないって本当?

通信制高校は、通学せずに自宅を中心に学習できるスタイルの高校です。しかし、最低限の対面指導には必ず参加しなければなりません。これが「スクーリング」です。
学校によって仕組みは異なり、年間数日のみの集中スクーリング、夏休みなどに合宿形式でまとめて実施、毎日登校型で全日制に近い学び方など、形式はさまざまです。
「スクーリングなし」のように受け取れる宣伝をしている通信制高校もありますが、法律上、完全にゼロにすることは不可能です。「行かなくても大丈夫」という言葉を鵜呑みにしてしまうと、入学後に“単位が取れない” “卒業できない”という状況につながるため注意が必要です。
今回は、通信制高校のスクーリングについて詳しく見ていきます。 特に「スクーリングは行きたくないな」「できるだけ通わずに済ませたい」と思っている方にぜひ読んでいただきたい内容となっています。 では早速いってみましょう! 目 …
スクーリングに行きたくないと感じる理由

通信制高校を選ぶ理由には、学び方の自由さや自分のペースを大切にしたいという想いがあるでしょう。そのため、通信制高校を志望していてもスクーリングには抵抗がある…という生徒は少なくありません。
スクーリングに行きたくない理由として、よく聞かれる声としては次のようなものがあります。
・集団行動が苦手
・長時間の拘束がしんどい
・交通機関の理由が不安
・決まった時間に行ける自信がない
・自宅のほうが落ち着いて学習できる
みんなどうしてる?スクーリング参加者の声
通信制高校「四谷学院高校」のスクーリングに参加した生徒さんの中にも、スクーリングに対して不安が大きいケースも多く見られました。
しかし、実際に参加してみると、「不安だったが、楽しかった」「不安だったが、あっという間だった」という声や、中には「苦手だったことが好きになった」という感想も見られました。
スクーリングについて詳しくはこちら
四谷学院高校のスクーリング
スクーリングに欠席したらどうなる?

結論として、スクーリングに出席しなければ、高校は卒業できません。
高校の卒業条件がある
通信制高校の多くは「単位制」を採用しています。卒業には次の条件が必要です。
・在籍期間が3年以上
・必修を含む74単位以上の修得
・面接指導(スクーリング)・レポート提出・試験の実施
このように「面接指導(スクーリング)」も単位の一部として位置づけられているため、欠席すると単位がとれず、結果として卒業が遠のいてしまうのです。
救済措置はあるの?
しかし、安心してください。体調不良等でスクーリングを欠席してしまった場合、1日休んだら卒業できない、というわけではありません。学校によって欠席時のフォローアップがあります。例えば別の日程で実施されるスクーリングに参加したり、予備日に出席したりすることができます。
ただし、スクーリングの代わりにレポート課題を出すなどの代替手段はありません。あくまでも面接指導=通学が必要です。
スクーリングの仕組み:どれくらい参加する必要がある?

教科ごとに必要なスクーリング回数は決まっており、自宅でできるレポート提出とは区別されています。科目によっては最少1回で済むものもあれば、運動系科目のように複数回必要な分野もあります。
教科・科目ごとの、1単位の添削指導回数と面接指導回数は、以下の通りです。
| 各教科・科目 | 添削指導(回数) | 面接指導(回数) |
| 国語、地理歴史、公民及び数学に属する科目 | 3 | 1 |
| 理科に属する科目 | 3 | 4 |
| 保健体育に属する科目の内「体育」 | 1 | 5 |
| 保健体育に属する科目の内「保健」 | 3 | 1 |
| 芸術及び外国語に属する科目 | 3 | 4 |
最近は、対面授業の一部をオンラインや映像授業で代替できる仕組みも整ってきました。ただし、すべてを自宅で完結させることはできず、一定の範囲内で「減らす」ことはできても「ゼロ」にはできないという点は変わりません。
スクーリングはなぜ必要なのか
通信制高校のスクーリングには次のような目的があります。
学習内容の理解度を確認するため
自宅学習だけではフォローしにくい分野や気づきにくい弱点を、対面の授業を通じて補います。
社会性・コミュニケーションを高める機会
必要最小限ではありますが、外の世界と接する経験は、卒業後の進路にも良い影響があります。
本人確認や不正防止のため
通信制教育が適切に行われているかを確認する仕組みでもあります。
通信制高校は大きく変化している

通信制高校とは、もともとは仕事や家庭の事情で通学が難しい人のために作られた高校の1つですが、近年は不登校の受け皿として、そして新しい分野の学びの場としても注目が集まっています。ただ、その一方で運営が不適切だった事例もあり、教育の質を守るためにスクーリングの重要性が改めて見直されています。
スクーリングで得られるもの

「行きたくない」という気持ちが前に出やすいスクーリングですが、参加した生徒さんの中にはこんな声もあります。
・外出の練習になり自信がついた
・思った以上に楽しかった
・勉強の理解が進んだ
「すごく楽しかった」とまではいかなくとも「不安だったけれど大丈夫だった」「意外と何とかなった」という声もあり、心配していたほどでなく、むしろ思ってもみなかった経験ができたという声も多く聞かれます。
短期合宿の場合
短期合宿型スクーリングでは、座学だけでなく体験学習や運動など、普段の生活では味わえない活動もできます。農業体験や文化財に触れる、身体を思いっきりうごかすなど、新しい体験に出会うチャンスにもなります。
通信制高校には「スクーリング」があります。学校によっては宿泊型のスクーリングを実施している場合もありますが、自宅以外で止まることに抵抗を感じる生徒さんも少なくありません。 その場合「スクーリングで宿泊しなければいけないの …
定期スクーリングの場合
定期的に登校するスタイルのスクーリングでは、専門の先生の授業を直接受けたり、クラスメイト等との交流が充実しています。通学頻度が高いことで生活リズムが整うだけでなく、学校に慣れ、自分の居場所づくりにもつながります。
「学校に毎日行くのがつらい」「不登校の経験があって、また通えるか不安」 そんな気持ちを抱える方に、通信制高校は新しい学びの選択肢として注目されています。毎日無理に登校する必要がない通信制高校なら、自分のペースで安心して学 …
行きたくない気持ちがあっても大丈夫

通信制高校スクーリングに不安を感じるのは決して特別ではありません。気持ちが落ち着くまで、無理なく進められる方法を一緒に探してくれる学校もあります。
大切なのは、「自分のペースで卒業を目指せる学校を選ぶこと」。そして「スクーリングの内容・回数をしっかり確認しておくこと」です。登校頻度は学校によって大きく違うので、自分に合うスタイルを事前に確認しておきます。
あなたに合った通信制高校なら、スクーリングも負担が少なく、きっと前向きに取り組めるはずです。「不安だけど、できるかも」と思えるように、心の準備をしていきましょう。
通信制高校・四谷学院高校では、オンライン学校説明会や最寄キャンパスでの個別相談を実施しています。
スクーリングについて気になることがあれば遠慮なくご相談ください。
四谷学院高校のキャンパス情報はこちら
今回は、「通信制高校って何?」「興味はあるけどよくわからない」という方のためのオンライン・ガイダンスです。四谷学院高校のことをご紹介するとともに、初めて通信制高校について知る方のための入門的な内容となっています。
参加費は無料。通信制高校を検討されている生徒ご本人、保護者の方が対象です。 学校説明会 特設ページ

通信制高校を検討されている中高生とその保護者の方にお役に立てるよう、通信制高校や大学受験に関する情報を発信していきます。だれでも才能を持っています。でもその才能は優れた学習システムと優秀かつ熱心な先生との出会いなしに開花することはできません。「英語が苦手」「数学が苦手」という人は、教え上手な先生に出会ってこなかっただけ。正しいやり方で学びの楽しさを味わうことができれば、「英語が好き」「数学が好き」に変身します。
「だれでも才能を持っている」という理念のもと、あなたに「やればできる」「学ぶことは楽しい」という体験をさせる、これが私たちの使命です。










