
中学生や保護者の方にとって、高校選びは大きな決断です。特に最近では推薦入試による大学進学者も増えており、「通信制高校って評定が高く取りやすいと聞くけれど、大学の推薦や総合型選抜で本当に役立つの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、通信制高校の特性や総合型選抜・学校推薦型選抜で大切なポイントを解説していきます。読むことで、安心して前向きに準備を進めるヒントを得られます。
目次
この記事でわかること
・総合型選抜・学校推薦型選抜とは何か
・通信制高校の評定の特徴と入試での意味
・入試対策として通信制高校でやるべきこと
総合型選抜・学校推薦型選抜とは何か?

総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(指定校・公募)は、学力試験だけでなく、在学中の学習姿勢や課外活動、志望理由、将来の目標などを総合的に評価して合格者を決める入試方法であり、大学側の求める学生像を重視するという特徴があります。
たとえば、基礎学力を身につけたうえで、自ら考え、学ぶ意欲を持っている学生、その学科や学部のテーマに強い興味・関心、そして情熱を持っている学生、問題意識もって物事に多面的・創造的にアプローチできる学生など、様々です。高校時代に主体的に学び、ほかの生徒にはないような経験を積んだ生徒も評価されやすくなります。
高1からの対策スタートが大切
近年、いわゆる学科試験による選考である一般選抜「以外」の入試で大学に進学する生徒が増えてきており、人気の大学や学部は競争率も非常に高くなっています。もし推薦や総合型選抜での大学進学を考えているなら、高校1年生から早めに準備を始めることが非常に大切です。なぜなら、目標や経験を整理する時間が長いほど、入試対策も充実させることができるからです。
評定平均とは何か?
推薦入学を検討する上で欠かせないのが「評定平均」です。評定平均とは、高校で受けた授業の成績(5段階評価など)の平均値のことを言います。いわゆる内申点のことで、例えば、すべての科目で5がつけば評定平均は5.0になります。
評定平均について詳しくはこちらの記事でも解説しています。
こんにちは、四谷学院の受験コンサルタント田中です。 「評定平均」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。「内申点」と同じように使われる言葉ですね。 推薦入試において重要な要素となる内申書に記載される大切な数字が評定平均値です。 推薦入試には色々な種類がありますが、特に「学校推薦型選抜」の場合には一定以上の評定平均値がなければ出願すらできません。いうまでもなく、評定平均を上げる・維持するということは非常に重要となってきます。 今回の記事では、学校推薦型選抜の出願条件で一般的に使われる基準である評定平均の具体的な計算方法や、学校推薦型選抜への影響について詳しく解説していきます。 [temp id=2] 評定平均とは 評定平均は、高校1年生から高校3年生の1学期までの全科目の評定を計算した数値のことを言います。つまり、高校に入学してから大学に出願するまでの成績ということになります。 ポイントは2つあります。 [su_note note_color=#fbf8cf] ・対象期間は高校1年生から。高校入学したての成績からすでに計算に含まれます。 ・大学入試科目以外も含む全科目が対象です。 [/su_note] 推薦入試での評定平均の重要度 特に学校推薦型選抜において評定平均が重視される傾向にあり、高校在学時の成績や学習態度などをこの数値によって判断します。 なお、総合型選抜の場合には高校から推薦をもらう必要はありませんが、大学によっては評定平均値の提出が求められることがあります。 評定平均の計算法 学年末の評定評価(5段階)が科目ごとに出されます。それをすべて足して科目数で割った数が評定平均となります。 [su_box title=評定平均の計算式 box_color=#4169E1 title_color=#ffffff radius=6] 「履修科目の5段階評価の成績合計」 ÷ 「履修科目数」 [/su_box] 小数点以下第2位を四捨五入します。評定平均の計算方法はとてもシンプルですね。履修科目には、実技(体育・芸術・家庭など)の教科も含まれます。 高校における履修科目の5段階評価とは、成績や学習態度から算出されますので、当然ながら定期試験等の成績が大きくかかわるということです。 なお、大学によって出願に必要な評定平均は異なります。情報収集をして、あなたの志望校合格に必要な評定平均を明らかにしておきましょう。 ちなみに難関大学の推薦であれば「評定平均5」が必要と考えましょう。 教科別評定平均 学校推薦型選抜の出願条件として、高校で履修している全科目を対象とする「全体の評定平均」が必要となる場合と、「教科別の評定平均」が必要となる場合があります。 先ほど計算式を見たのは「全体の評定平均」です。履修科目すべて、つまり、主要5教科以外の体育や家庭科の評価もすべて含んでいます。 一方で、大学側が指定する教科(科目)のみの評定平均が必要になるケースがある、というわけです。 例えば、 「全体の評定平均3.5以上かつ英語は4.0以上」のように、全体の評定平均値だけでなく、特定の教科の評定平均を基準に加える大学もありますので、注意が必要です。 評定平均のつけ方 高校における履修科目の5段階評価とは、「成績や学習態度から算出される」ということで、基本的には定期試験(定期考査)がベースとなります。 では、とても成績は良いけれど授業態度が悪い、という場合はどうなるでしょうか?当然ですが、定期テスト以外の要素も含めて評価をしますから、定期テストで同じ点数の生徒同士であれば、授業態度が良い生徒の方が評価は高くなるといえるでしょう。「テストの点数だけ高ければよい」というわけではありません。 3観点評価 学習指導要領において評価の観点が、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つが挙げられています。 この3つの柱に対応した形で評価されます。 「知識・技能」「思考・判断・表現」 各教科で身につけるべき知識や技術について、十分に習得しているか、という点が評価されます。 「思考・判断・表現」 基礎的な知識や技能をうまく活用しながら、自分なりに考え、判断をし、人に伝えるために表現する力も求められます。 「主体的に学習に取り組む態度」 学習に対して粘り強く取り組み、さらに自らの学習を調整しようとする、という2つの側面から評価されます。 [su_divider top=no style=dotted divider_color=#a2f564] 以上のことから、ペーパーテストのほか実験や実技、グループワーク等が行われます。暗記や一問一答のような単純な知識ばかりでなく、教科等横断的な知識の使い方や多面的・多角的に物事を見るといった点も大切にされ、「物理×数学」「英語×公民」「芸術×地理歴史」など、異なる教科をまたぐ授業が高校では実施されています。「多面的に学び、考える力」を身に付ける機会となっています。 こうした定期試験以外の日々の授業や活動において、3観点の習得をアピールできるとよいでしょう。 出席日数 授業の出欠についても、評価に影響します。 大学や高校によって基準が異なりますが、高校3年生の1学期までで「10日以内」が目安とされています。遅刻や欠席が多い場合、校内選考で落ちてしまう可能性が高くなります。 課外活動・部活動 公募制特別推薦選抜においては、スポーツや文化活動、委員会やボランティア、地域での取り組みなどの課外活動実績をメインとして選抜されますが、通常の指定校推薦においては、成績がメインとなり、そのほか、課外活動実績、生活態度などで評価されます。 10段階評価の場合 高校によっては10段階評価で成績をつけている場合があります。その場合は、5段階に直して計算します。 この換算方法は学校ごとに異なります。例えば、10段階のうち「9」「10」を「5」とする高校もあれば、「8」「9」「10」を「5」とする高校もあります。 評定が高ければ選択の幅が広がる 学校推薦型選抜について評定平均が大切である理由の1つとして「数字で判断できる」ということがあります。面接や小論文などは、それぞれの思いが表現されるものであり、唯一の正解があるテストというわけではありません。一方で、評定平均は数字ですから、誰でもわかりやすく客観的に判断が可能です。実際、総合型選抜(旧AO入試)の出願の多くは、まずは評定平均で足切りがされます。 選考過程には面接や小論文、各種提出書類と様々な準備が必要となってきますが、評定平均さえ満たしていれば、どこの大学であっても「受験」することができます。 なお、評定平均が高いほど、合格率も高くなるとされています。 評定平均を上げるには 評定平均は、推薦型選抜において絶対に外せない基準ですが、評定平均をアップさせるための対策ポイントはどんなものなのか、詳しく見ていきましょう。 ...
推薦入試における評定平均の扱い
推薦入試においては、出願資格に「評定平均4.2以上」などの条件をつけているケースがあり、一定以上の評定平均値がなければ出願すらできません。いうまでもなく、評定平均を上げる・維持するということは非常に重要となってきます。
この場合、そもそもの出願資格を得やすくするために、通信制を選択するという道もあります。
通信制高校の評定平均の特徴
通信制高校では、個別指導を行ったり柔軟な学習計画を組んだりすることができるため、高い評定平均を取りやすい傾向があります。ただし、調査書には実際5段階評価において生徒の何パーセントが5なのか、というような情報も記載されますから、評定が「5」といっても「どのくらいの意味をもつ5なのか」という情報も大学側は見たうえで判断しています。
評定だけでなく、どんな経験をして何を学んだかが重要な理由

大学が総合型選抜・学校推薦型選抜で重視するのは、高校生活を通してどんな経験をし、何を学んだかということです。つまり、勉強だけで高い評定を取って不十分で、大学が見るのは数字だけではなく、「どのくらい努力や経験が伴っているか」も含まるということです。
次のような経験や学びがある生徒は、より高く評価されます。
・部活動や生徒会活動など、リーダーシップを発揮した経験
・学校外のボランティアや地域活動への参加
・自分の興味関心を追求する自主学習やプロジェクト
評定平均以外の評価事例
大学の推薦入試において、多くの場合、評定平均はあくまでも基本的な学びが身についていることを確認するための基準にすぎません。
例えば、同じ大学・学部を受験した場合でも、次のような差が出ます。
3年間勉強だけに専念し、部活動や課外活動には参加していない。評定は非常に高い。
勉強の評定はAさんよりやや低いが、生徒会会長として学校運営に主体的に関わり、地域活動にも参加した。
大学はBさんのように、「将来どう活かすか」を明確にもち、経験を積んできた生徒を高く評価します。推薦入試においては、評定値だけでなく、経験の深さや学びの意味が重要なポイントになることがよくわかります。
通信制高校でできる入試対策
通信制高校では、柔軟な学習環境の中で次のような取り組みが可能です。
✅ レポート提出の期日を守り、内容の質を高めて評定を確保する
✅ 学校生活や課外活動、プロジェクトに主体的に取り組む
✅ 将来の目標を明確にし、志望理由書や面接で自分の経験を整理して伝える
勉強だけに偏らず、経験や学びを整理することで、総合型選抜・学校推薦型選抜においても強みになります。通信制高校の柔軟な環境を活かせば、自分のペースで学びながら、こうした準備を着実に進められます。
通信制高校・四谷学院高校でのサポート
最後に、四谷学院高校における推薦入試対策についてご紹介します。
通信制高校ならではの柔軟な学習環境に加え、推薦や総合型選抜に向けた手厚いサポートを行っています。
- スモールステップの55段階で丁寧なレポート指導で評定を確保
- 課外活動や学校行事を通じた主体的な経験を支援
- 志望理由書や面接対策など、大学のアドミッションポリシーに沿った受験指導
- 大学入学後も見越した学習指導(一般受験対策も◎)
なお、通信制高校でありながら、一般選抜対策も並行して行うことができることも大きなメリットです。
まとめ|通信制高校から推薦・総合型選抜を目指すときに大切なこと
通信制高校は評定を取りやすい傾向がありますが、大学は数字だけで判断しません。大切なのは、勉強だけでなく、課外活動や自主学習などを通して、高校生活で何を経験し、何を学び、将来にどう活かすかを明確にすることが合否を大きく左右します。

四谷学院高校では、学習サポートとともに、推薦や総合型選抜に必要な準備や指導を丁寧に行っています。通信制高校からこうした入試を目指すため、高1から目標や経験を整理し、安心して前向きに準備を始められるようにサポートします。
四谷学院高校では、オンライン学校説明会や個別相談会を随時開催しています。
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今回は、「通信制高校って何?」「興味はあるけどよくわからない」という方のためのオンライン・ガイダンスです。四谷学院高校のことをご紹介するとともに、初めて通信制高校について知る方のための入門的な内容となっています。
参加費は無料。通信制高校を検討されている生徒ご本人、保護者の方が対象です。 学校説明会 特設ページ

通信制高校を検討されている中高生とその保護者の方にお役に立てるよう、通信制高校や大学受験に関する情報を発信していきます。だれでも才能を持っています。でもその才能は優れた学習システムと優秀かつ熱心な先生との出会いなしに開花することはできません。「英語が苦手」「数学が苦手」という人は、教え上手な先生に出会ってこなかっただけ。正しいやり方で学びの楽しさを味わうことができれば、「英語が好き」「数学が好き」に変身します。
「だれでも才能を持っている」という理念のもと、あなたに「やればできる」「学ぶことは楽しい」という体験をさせる、これが私たちの使命です。








