「通信制高校って、自分に合うか分からない」「最後まで続けられるか不安」
このように感じている人もいるでしょう。特に不登校の経験がある人にとって、“高校を卒業する”という目標は、少し遠く感じるかもしれません。通信制高校は自由なスタイルで学べる一方で、「自分で管理しないといけない」「途中で投げ出してしまうかも」と心配になるのも当然です。

では実際のところ、通信制高校の卒業は本当に難しいのでしょうか?

今回は、通信制高校の制度や学びの仕組みを最新データをもとにしながら、卒業の現実をくわしく解説します。

この記事でわかること

・通信制高校の制度と学びの特徴
・卒業率・退学率などデータで見る通いやすさ
・学校選びで卒業しやすさが変わる理由

通信制高校とはどんな学校?


通信制高校は、戦後に「働く若者にも高等教育の機会を」として制度化された教育課程です。全日制や定時制と違い、自宅での学習を中心に、レポートの提出・スクーリング(面接授業)・試験を通して単位を修得していきます。

近年では、映像授業やオンライン質問、個別カウンセリングなどICTを活用した支援が整い、登校日数やペースを自由に調整できるようになりました。「人と関わるのが不安」「勉強にブランクがある」という人でも、少しずつ学校生活を再スタートすることができます。

通信制高校は増加傾向にある


文部科学省のデータによると、通信制課程を置く高校は年々増えています。平成7年には全日制高校が5,501校、公立通信制68校、私立通信制25校でしたが、令和2年には、全日制高校が4,874校に減少する一方で、公立通信制は78校、私立通信制は179校へと大幅に増加しました。令和7年まで右肩上がりで増加し続けています。

新しい通信制高校が注目されている

通信制高校のニーズは年々高まっています。そして、全日制高校にはない柔軟なカリキュラムで「新しい学びのかたち」として定着してきています。これは、不登校経験や進路の再出発など、多様な生徒を受け入れる体制が整ってきたことの表れでもあります。

通信制高校の卒業のハードルは意外と高くない


通信制高校というと「途中でやめてしまう人が多いのでは?」と不安に思う人が少なくありません。しかし、実際の数字を見てみると、卒業は思っているほど難しくありません。

文部科学省の調査では、年間退学率は公立通信制で8.2%、私立通信制で4.7%。公立より私立のほうが退学率も低くなっています。このことからもわかる通り、進捗管理・レポート指導・メンタルサポートなどが整っているなど、サポートが手厚く行われることで、万が一途中でつまずいても立て直しやすいと言えそうです。

通信制高校で孤立しないために


通信制高校は、メインとなるのは自宅学習ですが、現在では通学型の通信制高校も選ぶことができます。全日制のように週5日通うことで生活のリズムができたり、居場所が確保でき精神的な安定も期待できます。
また、無理なく単位を積み重ねられるよう、担任が学習ペースを見守ったり、スクーリングで直接サポートしてくれたりと、「孤立しにくい」仕組みも整っています。

学校選びで「卒業しやすさ」は大きく変わる


「通信制高校」と一言でいってもその特徴は様々です。様々なイベントに参加して楽しい高校生活を送ることを第一とする高校もあれば、より専門的な学びが実現できる高校もあります。また、高校卒業だけでなく大学進学を目指す通信制高校もあります。

どの通信制高校を選ぶかによって卒業までの道のりは大きく変わります

譲れないものは何か?


通信制高校の中には、登校頻度・サポート体制・学習方法がまったく異なる学校もあります。あなたにとって譲れないものは何でしょうか?これがわかると学校選びの近道になるかもしれません。

通学に不安がある

学校に定期的に通うことが難しい場合には、以下のような点を意識して学校を選ぶと安心です。

・スクーリングの頻度が少ない
・午後からの授業を選ぶことができる
・駅の近くなど通いやすいところにキャンパスがある
・スクールカウンセラーがついてくれる

学力に不安がある

小中での学習経験が少なく、学び直しをしたい方には以下のような点を意識して学校を選ぶと安心です。

・基礎から学び直すことができる
・質問しやすい環境がある
・個別指導を受けることができる
・オンラインや映像視聴など、学習サポートが充実している

自分の目標に向かって頑張りたい

すでにやりたいことが決まっていたり大学など志望校が決まっている場合には、以下のような点を意識して学校を選ぶと安心です。

・学びたい分野の授業がある
・時間割の組み方が柔軟である
(大学進学の場合)
・受験対策が可能である
・進学実績がある
・進路指導などのサポートが充実している

不登校経験があっても安心して通える理由


通信制高校には、不登校経験のある生徒が多く通っています。そのため、学校も最初から「少しずつ慣れていこう」という視点でサポートしてくれるのが特徴です。

たとえば、最初はオンライン授業だけに参加し、慣れてきたらスクーリングへ。最初は週1回で慣れたら通学日数を増やしてみる。こんな風に自分のペースで登校を増やせる柔軟な仕組みがあるからこそ、プレッシャーを感じにくく、再スタートしやすいといえます。

また、最近では心理面のサポート体制を強化している学校も多く、カウンセラーや専門スタッフが在籍しているケースもあります。
「高校で頑張りたい」という気持ちを受け止めてくれる場所として、通信制高校が選ばれています。

まとめ:通信制高校の卒業は「不安があっても大丈夫」

通信制高校は、決して“簡単に卒業できる”学校ではありません。しかし、「支えてくれる仕組みがある」「自分のペースで進める」という点では、全日制よりも柔軟で安心できる環境です。これらが整っていれば、無理なくモチベーションを保ち、最後まで学び続けやすくなります。通信制高校の卒業は、環境次第でぐっと現実的になるのです。

自分に合った通信制高校を選び、しっかりサポートを受けながら学べば、卒業は十分に可能です。焦らず、一歩ずつ。通信制高校は、そんなあなたの再スタートを支えてくれる場所で3年間を過ごしませんか?

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