通信制高校では、映像授業を取り入れている学校が増えています。時間や場所の制約を受けずに学べる便利さがある一方で、授業内容や配信形式などは学校によって大きく異なります。
ここでは、通信制高校で行われている映像授業の種類や特徴、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
目次
この記事でわかること
- ・ 映像授業の主なタイプと特徴(録画型/ライブ型/集団/個別/ハイブリッド)
- ・ それぞれのメリット・デメリットと向いている生徒像
- ・ 選ぶときのチェックポイントと継続するためのコツ
通信制高校の映像授業とは?
通信制高校の映像授業とは、先生が行う授業を録画・配信したものをオンラインで視聴する学習スタイルです。リアルタイムで授業を受ける「ライブ配信型」や、録画された授業を自分のペースで見られる「オンデマンド型」など、学校によってさまざまな形式があります。
映像授業のタイプ別解説
録画型(オンデマンド型)
録画された授業を、自分の好きな時間に視聴できる形式です。繰り返し見ることもでき、自分のペースに合わせて学習を進められます。時間や場所の制約がないので、仕事やアルバイト、部活動や趣味の活動など、両立もしやすく、通信制高校との相性が良いスタイルです。
ライブ型(同期型)
決まった時間に、オンラインで授業に参加する形式です。リアルタイムで先生や他の生徒と交流できるため、緊張感とつながりを感じながら学べます。その場で質問できる場合もあり、対面に近い感覚で学びたい人に向いています。
ライブ型には、集団授業タイプと個別指導タイプがあります。
ライブ型ー集団授業タイプ
ライブ型で多い、映像を活用した集団授業では、複数の生徒が同じ内容を受けます。学習リズムが整いやすく、他の生徒の頑張りが刺激になるメリットがあります。自分一人だと集中しづらい人におすすめです。
ライブ型ー個別指導タイプ
1対1もしくは少人数がオンラインでつながり、講師が個別にフォローしてくれる個別指導タイプのライブ型授業もあります。質問対応や学習計画の見直しなど、個人のペースに合わせたサポートが受けられます。ほかの人の目を気にせずに勉強できるメリットがあります。
ハイブリッド型
通学と自宅学習を組み合わせたスタイルです。登校日に先生と直接話せる一方、普段は自宅で映像授業を活用して学びます。それぞれのメリットを生かしつつ、デメリットを補強できるので、サポートと自由のバランスが取れた形式と言えるでしょう。
ハイブリット型を導入している場合、通学と自宅の割合などはある程度、都合に合わせて設定できるケースが多いようです。
タイプごとのメリット・デメリット比較
| タイプ | メリット | デメリット |
| 録画(オンデマンド)型 | 自分のペースで視聴可能(倍速視聴など)/繰り返し復習できる | 自己管理が必要/つい先延ばしになりがち |
| ライブ(同期)型 | 緊張感をもって学べる/学習リズムが保ちやすい | 都合が合わなければ欠席になる/通信環境が重要 |
| 集団授業型 | モチベーションを維持しやすい | 進度が自分に合わない場合もある/質問がしにくい |
| 個別指導型 | 自分の課題に合わせて進められる/質問しやすい | 費用が高めになる場合がある |
| ハイブリッド型 | 通学とオンラインの良いとこ取り/安心感がある | スケジュール調整が必要/近くに校舎がある場合に限定される |
映像授業のメリットは費用の安さ!ただし、「安い=良い」ではない

映像授業は、一般的に学費を抑えられる傾向にあります。通学型授業に比べて講師の拘束時間が短く、施設費も少ないためと考えられます。ただし、「安い=良い」とは限りません。教材設計やサポート体制が整っているかどうかも重要です。
チェックポイントは2つ。「授業の質はよいか」そして「続けやすいか」です。
費用に目が行きがちになってしまいますが、映像を見なければ意味がありません。事前にしっかり確認しましょう。
授業の質はよいか?
通信制高校の中には、映像授業の数をウリにしている場合があります。たくさんある映像授業の中から選ぶことができるのは、一見とても良いように思われるでしょう。
しかし、実際には「何を見ればいいか分からない」「たくさんありすぎて視聴管理ができない」「1本1本の質がよくない」などの声も聞こえてきます。具体的な授業の中身についてもやはり確認が必要だと言えるでしょう。
続けやすいか
映像授業の場合、特に録画型(オンデマンド型)の場合には、生徒自身が自発的に学ぶ必要があります。ライブ型(同期型)の場合でも、決まった時間に授業が行われるのである程度の強制力があるとは言え、ただオンラインでつながっているだけ…ということもアリがちです。
定期的に映像視聴のチェックがあったり、対面で話す機会があったり、あるいは分からないところを気軽に質問できるサポートがあったり……勉強を継続するためには、映像視聴周辺のサポート体制も非常に大切と言えるでしょう。
映像授業に向いている生徒タイプは?
映像授業にもいろいろな種類があります。
それぞれ向いている生徒のタイプは、以下のような傾向があります。
録画型に向いている生徒タイプ
・体調に合わせてスケジュールを調整したい人
・ほかの生徒が一緒だと緊張しやすい人
・何度も繰り返し、授業を受けたい人
・効率的に勉強したい人
ライブ型や集団授業型がおすすめの生徒タイプ
・人との関わりを感じながら勉強したい人
・授業にある程度の緊張感が欲しい人
・決まった時間に授業を受けたい人
個別指導型に向いている生徒タイプ
・基礎からしっかり学び直したい人
・学習計画などもしっかりサポートしてほしい人
・質問して疑問を解消したい人
・体調に合わせて勉強を進めたい人
・まずは勉強の習慣づけをしたい人
映像授業を選ぶときのチェックポイント
映像授業には、通学授業とはまた異なるチェックポイントがあります。映像授業の良さを存分に生かした学習環境が整っているかどうか、事前に確認しておくと安心です。
たとえば、以下のようなチェックポイントがあります。
質問対応やサポート体制はあるか
「気楽に質問してください」と言われても、授業中に先生に質問をするのはハードルを高く感じる生徒も多いので、サポート体制として疑問を解消できるシステムがあるかどうか、そして実際に生徒たちがそれを活用できているかどうか、という点をチェックしておきましょう。
ライブ型の場合には、欠席した授業の映像視聴が可能かどうかも確認しましょう。
学習到達度を確認できる仕組みがあるか
映像を見て終わりでは、学力はなかなか身につきません。実際に理解ができているかの確認が行えるような仕組みがあるか、チェックしましょう。
スマホ・タブレットでも見やすい設計か
「字が小さくて板書が見えない」というようなこともあり得ます。利用する予定のスマホやタブレットでも見やすくなっているかどうか、事前にチェックしておきましょう。
特にライブ配信の場合には、自宅などの通信環境が適当かどうかも確認しましょう。
映像授業を続けるためのコツ
映像授業は自由な反面、「後で見よう」と思っているうちに溜まってしまうことがあります。大切なのは「勉強の習慣化」です。毎日決まった時間に見るルールを決め、見た内容をノートにまとめるなど、能動的に取り組む工夫をしましょう。
わからないところは早めに質問し、小さな達成感を積み重ねることが継続のポイントです。そうした意味でも、映像の形式や内容だけでなく、それに付随する質問や習熟度チェックなどのサポートが充実しているかどうかも、とても大切になります。
よくある質問
Q. 映像授業を見るだけで成績は上がりますか?
A. ただ見るだけでは不十分です。
問題演習や復習を組み合わせることで効果が高まります。映像授業で分からなかったことや気になるところは、すぐに質問できるような学習環境を整えることが大事です。
Q. 映像授業だけで大学受験は可能ですか?
A. 教材の質やフォロー体制によっては十分可能です。
特に、個別フォローや質問対応がある学校を選ぶのがおすすめです。苦手科目があったり、志望校が決まっていなかったりする場合には、映像授業以外のフォローが必須です。
Q. 映像を見ないまま期限が過ぎたらどうなる?
A. 多くの学校では視聴期限が設定されています。
期限を過ぎると映像が見られなくなってしまいますので、学習スケジュール管理がしっかりしている学校を選ぶと安心です。
まとめ:自分に合った映像授業を選ぼう
通信制高校で多く導入されている映像授業は、自由度と効率を兼ね備えた学習スタイルです。しかし「見るだけ」ではもったいない学びでもあります。自分のペースや性格に合った形式を選び、映像以外のサポートもしっかり活用しましょう。
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