こんにちは、四谷学院高校の田中です。
近年、通信制高校への進学を選ぶ生徒が増えています。どれくらい増えているかと言うと、高校生の11人に1人が通信制高校に通っているというデータが出ています。柔軟な学習スタイルや自分のペースで進められる点が通信制高校の大きな魅力ですが、実際に通ってみてから「期待していたのと違った」「不満がある」と感じる人も少なくありません。

この記事では、通信制高校に関するよくある不満やデメリットを紹介しながら、進学を検討している生徒・保護者の方が後悔しない選択をするためのポイントを解説します。

通信制高校に通う生徒が感じる「5つの不満」

1. 人間関係が築きにくい

通信制高校では登校日が少ないため、クラスメイトとの交流がほとんどありません。不登校経験者の方は、それが安心材料となり心理的負担の経験につながる一方、「友達ができない」「孤独を感じる」といった声もあり、高校生活において友達関係を重視したい人には、通信制高校は不向きかもしれません。

2. 自己管理が難しく、学習が進まない

通信制高校の勉強は毎日決まった時間割が組まれていないことも多く、個人の裁量によるところが多くなっています。自由度が高い分、自己管理能力が必要と言えるでしょう。
そのため、「課題が溜まってしまう」「家で集中できない」など、モチベーションの維持に苦労する生徒もいます。余り課題をためすぎてしまうと、単位ができなかったり卒業できなくなったりといったリスクもあります。

3. 学力が身につかないと感じる

通信制高校の教科書を見たことはありますか?学び直しが重視されるので教科書を見た生徒さんは「え?こんなに簡単なの?」とびっくりされることもあります。しかも通信制高校は中間テスト・期末テストのような定期試験はなく、レポート中心です。そのため「受験に必要な学力が身につかない」など、学習の質に不満を感じる人もいます。
特に大学進学を目指す場合は、進学実績やサポート体制がしっかりしているかを入学前に確認する必要があります。

4. 就職や進学で不利にならないか不安

通信制高校の卒業は全日制と同じ「高卒資格」ですが、企業や大学にどう思われるか不安という声もあります。また、「なぜ通信制高校なのか?」と質問されることもあります。こうした質問にしっかり答えることができれば、特に不利になることはありませんので、心配無用です。なお、履歴書には高校名を書くだけで、わざわざ「通信制」と書かなくてもよい場合もあります。

5. サポートが少なく「放置されている」と感じる

通信制高校は、映像授業やインターネットでの勉強がメインとなっていて、対面での指導はほんの一部です。そのため、担任の先生と全然話せない(話したいけど勇気が出ない・方法がわからない)とか、進学や就職などの進路を相談できる友達や先輩がいないといった不満も出てくるようです。特に一人で悩みやすいタイプの生徒にとっては、孤立感が強まる原因になります。

通信制高校に向いていない人の4つの特徴


通信制高校には向き・不向きがあります。以下に当てはまる人は、別の選択肢も検討するとよいかもしれません。

・自分から学習に取り組むのがものすごく苦手
・友達と一緒に学ぶ環境を重視している
・高校生活に「イベント」や「部活」を求めている
・メールやチャットよりも対面のコミュニケーションが得意

カリキュラムや時間割など、すべて決められたとおりに行いたい、自分では考えたくない…という人は、通信制高校はちょっと辛いかもしれません。「自由な時間が多い・自分で選択できる」ということが通信制高校のメリットではなく、むしろ大きなデメリットとなってしまう可能性が高いからです。また、常に友達と一緒に行動するのが好きだったり、学校行事をはじめとするイベント、あるいは部活動や委員会活動など、学校生活を友達と一緒に満喫したいと考えていたりする場合や、直接人と会ってコミュニケーションをとりたいという人の場合には、全日制高校の方がその期待には応えられるかもしれません。

保護者の不安も大きい?親から見た通信制高校の懸念点

卒業の心配

「ちゃんと卒業できるの?」という不安は当然です。通信制高校によってサポート体制の差が大きいというのが実情です。登校する必要はほとんどありませんが、卒業のための単位を習得するためには、勉強時間を確保し、レポート課題を〆切までに提出し、さらにスクーリングに参加する、などが必要になってきます。入学したら3年後の自動的に卒業資格が得られるわけではありません。
高校卒業後の将来のことも考え、自立的に考え自ら行動できるようにサポートしていく必要があります。

学費

私立通信制高校では学費が高めになることも。費用に見合ったサポートがあるかを見極める必要があります。
学費について詳しくはこちらの記事でご確認いただけます。

サポート校や予備校・塾の併用

通信制高校での単位修得をサポートするための支援施設として「サポート校」があります。通信制高校入学と同時にサポート校にも入学する生徒が多く、通信制高校でのデメリットを補ってくれます。
ただし、通信制高校から大学受験を目指す場合は、全日制高校と同様に予備校や塾にも通うという場合があります。すると、高校+サポート校+塾・予備校という「トリプルスクール」になり、送り迎えや経済的な負担も大きくなります。
通信制高校の入学前には、サポート校や塾・予備校についても、同時にチェックしておく必要があります。

通信制高校でも「後悔しない選択」をするために

学校ごとの違いをよく比較しましょう。通信制高校といっても、通学型・全日型・ネット型などスタイルはさまざまです。説明会や体験授業に参加し、実際の雰囲気を確かめましょう。できれば、1回だけではなく、説明会やオープンキャンパスなど、複数来校していただくとよいかと思います。

あなたが大切にしたことは?

また、どんなサポートを重要視しているのか、自分自身でまとめてみることも有効です。それぞれの通信制高校にはカラーはあり、強みがあります。

女の子2

担任や進路指導の手厚くサポートしてほしい。ちゃんと卒業できるように二人三脚で見守ってほしい。

男の子2

大学進学希望しているので、しっかりとした受験指導をしてほしい。それに家だと勉強できないので充実した自習室を使いたい。

女の子1

家で勉強したい。学校に通うのに抵抗があるから、スクーリングをできるだけ少なくして外出の負担を減らしたい。

このように、一人ひとり重視している部分は異なるので、それぞれのニーズに応えられる学校がふさわしいと言えるでしょう。

自分の目で確かめよう

「評判が良かったから」「家から近いから」「なんか有名だから」というような理由だけで選ぶことはお勧めしません。
大切にしたいと思う点を、実際にあなたの目で確認することが大切です。

そのために、学校説明会や相談会、オープンキャンパスなどには、ぜひ積極的にご参加ください。中には保護者のみの参加もOKの場合もありますから、まずは気軽に気になった学校の情報収集を行うことをお勧めします。

まとめ:不満を知ることが「後悔しない選択」への第一歩

通信制高校は決して「楽な道」ではありません。しかし、メリットが大きいことも確かです。ですから、実際のデメリットや不満の声を正しく理解しておくことが大切です。
進学後に「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、しっかり情報収集をしてぴったりの通信制高校を選びましょう。

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四谷学院ブログ編集部

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