
みなさんは、「模擬国連」を知っていますか?
模擬国連とは、学生が各国の大使になりきり、実際の国連の会議をシミュレーションする活動です。国際的な課題について自国の立場から議論を重ね、合意形成を目指します。知識だけでなく、その場で考え、自分の言葉で伝える力も求められます。
今回は、この模擬国連に挑戦した四谷学院高校の田崎さんに話を聞きました。実は田崎さん、以前にも参加した経験があったものの、当時は「全く意欲的ではなかった」と言います。 そんな彼女がなぜもう一度挑戦しようと思ったのか。当日の葛藤や、挑戦の先に見つけた宝物について語ってくれました。
目次
「守られた環境」から飛び出し、自分から動く決意をした
田崎さんは前の学校でも模擬国連に参加した経験がありました。しかし、当時の心境は決して前向きなものではありませんでした。
以前出たときは、事前の書類提出も期限ギリギリ。本番前日の夜に慌ててルールや担当国の情報を徹夜で調べて……。正直、出場には全く意欲的ではありませんでしたね。大会では初心者議場で優秀賞のようなものをいただいたものの、準備の大変さもあり、その後のやる気は続きませんでした。
そんな田崎さんが再び模擬国連への出場を決意したのは、四谷学院高校へ転校したことが大きなきっかけでした。
前の学校は大学の付属校だったので、ある意味「守られていた」んです。でも、通信制高校に来たからには自由が広がる分、「自分で頑張らなきゃいけない」という焦りや思いを強く感じていました。 四谷学院に来て自分のことに使える時間が増え、活動の幅も広げられたので、「ここならもう一度挑戦できるかもしれない」と思ったんです。
四谷学院の先生に「やりたい」と思いを伝えると、先生は積極的にサポートしてくれ、メンバー探しにも協力してくれました。こうして、田崎さんの二度目の挑戦が幕を開けました。
スウェーデン大使としての葛藤と、オンライン会議の壁
今回の議題は「ジェンダー平等と社会参画」。田崎さんが担当したのはスウェーデンでした。
前回の会議では、議題に対して担当国としての立場を比較的取りやすかった一方、今回はすでに制度が進んでいる福祉国家・スウェーデン。自国の中である程度解決できている課題に対して、どのような立場を示すべきか、非常に難しかったと振り返ります。
スウェーデンでは教育やケアが進んでいて、国が福祉を支えています。だからこそ、他国への金銭的支援が自国の利益や財源にどう影響するのか、スタンスをとるのが難しかったです。でも、日本が目指している目標をすでに達成している国の課題を見られたことは、とても興味深かったですね。
そして迎えた本番。今回はオンライン会議で行われ、しかもペアを組んだ他キャンパスの生徒・前田さんは模擬国連の初参加者でした。
私が不安を見せてしまうと、前田さんも絶対に不安になってしまう。だから「自分がしっかりしなきゃ」というプレッシャーがありました。 最初は議論のグループ分けだけで時間が過ぎてしまい、オンラインの仕組みにも戸惑って遅れをとってしまった感覚もありました。それでも積極的に発言を重ねたことで、1日目の終わりには自分たちの立場をある程度確保する手応えを感じられました。
支持を得た喜びと、日本の反対側で見つけた宝物
会議を進める中で、田崎さんは大きなやりがいを感じる瞬間に出会います。
「スウェーデンさんのおっしゃる通り」と、他の国の大使さんたちが私の意見を支持してくださった時は、達成感や嬉しさ、そして感謝の気持ちでいっぱいになりました。
周囲と合意を取りながら自国の利益とも両立する方向を考え続ける難しさや、最優秀賞を受賞した生徒の圧倒的なリーダーシップと戦略性を目の当たりにし、多くの刺激を受けた田崎さん。 そして何より、今回の挑戦で得た最大の収穫は「人とのつながり」でした。
今回、四谷学院の他のキャンパスにいる前田さんとペアを組んでオンラインで出場しました。彼女は謙虚で優しく、思慮深くて。一生懸命リサーチをしてくれる前向きな方でした。 本来なら、東京や神奈川に住んでいる人としか交友関係は広げられません。でも、日本の反対側にいる頑張っている子と繋がれたことは、私にとって大きな宝物です。

まずは「やりたい」と口に出してみよう
最後に、これから新しいことに挑戦しようとしている高校生に向けて、田崎さんから力強いメッセージをもらいました。
私は強豪校のすごさを知っていたからこそ、尻込みしていた部分もありました。でも、「これをやりたい」と四谷学院の先生に話した時から、先生方が一生懸命サポートしてくれました。 だから、「やりたいことは口に出す」ということが本当に大切だと思います。声に出して一歩踏み出すことで、必ず次につながっていくはずです。自分で行動して得た経験は、一生の宝物になると思います。
まとめ
「やってみたい」と思う気持ちがあっても、不安や迷いから立ち止まってしまうことは誰にでもあります。田崎さんも、かつての経験からやる気を失っていた時期がありました。
しかし、環境を変え、「やりたい」と声に出したことで、全国の仲間と繋がり、自分の意見が支持されるというかけがえのない経験を手にしました。
あなたの中に眠っている「やってみたい」という気持ち。 まずは誰かに、言葉にして伝えてみませんか? その小さな一歩が、新しい世界への扉を開くはずです。
ペアで出場した前田さんのインタビュー記事はこちら
